ブーケトスとは、花嫁が後ろ向きになって未婚女性の招待客に向けてブーケを放り投げるという演出のことをいいます。
花嫁が放り投げたブーケを運よく受け取ることのできた女性が幸せになれるという言い伝えは、よく知られていますよね。
そのため、「私も早く結婚したい!」「幸せになりたい!」と思っている女性が、何としてでもブーケを取ろうと必死になってしまう人もいると思います。
しかし、なんとなくそういう言い伝えがあるということを知っているだけで、実際にはブーケトスにはどのような意味があるのかわからない人も多いのではないでしょうか。
また、実際にブーケトスを演出に取り入れる場合にはどのような点に注意する必要があるのでしょうか。
ブーケトスは未婚女性しか参加できないの?
ブーケトスは本来、未婚女性の招待客が参加する演出として知られています。
しかし、最近ではブーケトスから派生して、男・女、既婚・未婚、大人・子どもも関係なく、幅広くイベントを楽しめるような演出も増えてきています。
具体的には以下のような演出があります。
・ぬいぐるみトス
・お菓子トス
・ブーケプルズ
・ブーケシェア
・ガータートス
・ブーケトニアトス
・ブロッコリートス
これは差別をなくしていこうという現代の考え方によって、生み出されてきたイベントたちといえるでしょう。
ブーケトスから始まり、ここまで多くの演出ができたと考えるとすごいですね。
しかし、ブーケトスの本来の意味やブーケトスが結婚式に取り入れられるようになった理由は、よく分からない人も多いのではないでしょうか。
それは、諸説はありますが14世紀頃のイギリスまで遡るようです。
ブーケトスの意味と理由とは?
ブーケトスには本来、「幸せのおすそわけ」の意味合いと願いが込められています。
なぜ、その意味合いと願いが込められるようになったかというと、諸説はありますが14世紀頃のイギリスの風習から始まったようです。
当時の結婚式では、花嫁の幸せにあやかりたいと思っている未婚女性が花嫁のドレスを引っ張ったり、ブーケの花を取っていくことが多くありました。
今になって考えてみれば取っ組み合いの喧嘩のようなことが、結婚式の最中に起こっていたということですね。
このような危険な状況を回避し、自分だけではなく招待客の未婚女性にも幸せになってもらいたいという願いを込めて、花嫁からブーケを投げるという演出が始まりました。
それがブーケトスの始まりだと言われています。
ブーケトスを実施する場合の注意点は?
ブーケトスを実施する場合の注意点は、以下の通りです。
- 挙式に向いているかどうか
- 未婚女性への配慮が必要になる
- ブーケトスでのリスクを考慮する
それでは詳しく見ていきましょう。
挙式に向いているかどうか
ブーケトスは花嫁がブーケを後ろ向きに放り投げるわけですから、ある程度は動きやすい服装でないと厳しいですよね。
そのため、和装よりは洋装であるウェディングドレスを着る「キリスト教式」や「人前式」で実施するようにしましょう。
また、ブーケを放り投げるにはそれなりに広い空間が必要になります。
結婚式場によって屋内でできる場合と屋外に出ないとできない場合があるので、どちらであるかを事前に確認しておくことが重要です。
未婚女性への配慮が必要になる
ブーケトスは、未婚女性には人気の演出ではありますが、「自分が独身だと知られるのが恥ずかしい」「ブーケトスには参加したくない」という方も増えてきています。
中には、新郎新婦の気持ちを傷つけまいとして、無理に参加したことによって嫌な思いをしたり、傷ついてしまう人がいるのも事実です。
せっかくお祝いに来てくれた大切な招待客を傷つけないためにも、事前にブーケトスをすることを知らせて招待客の意見を聞いてみましょう。
そこで、ブーケトスに参加したくないという乗り気でない意見が多い場合には、全員参加型の演出に切り替えることもできますよね。
また、当日にブーケトスに参加する人数も把握できるので、事前に参加者を確定させていると、司会者からのアナウンスの仕方にも配慮することができます。
ブーケトスでのリスクを考慮する
ブーケトスを実施する場合には以下のような点に配慮する必要があります。
・振り上げた反動で花がちぎれたり、とれたり、壊れてしまう
・ブーケ自体が重くなってしまう
・ワイヤーの部分が当たってしまう
・スポンジの水が飛び散って、濡れてしまう
特にブーケトスに使用するブーケが、生花やプリザーブドフラワーを用いて作られたものである場合は、十分に注意して行うことが重要です。
ブーケトスを成功させるための方法は?
ブーケトスを成功させるための方法は以下の通りです。
- 招待客の立ち位置に気を配る
- ブーケトスに最適なブーケを選ぶ
- トラブルに対応できるようにしておく
それでは、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
招待客の立ち位置に気を配る
ブーケは、たくさんの花をまとめて作成しているため意外と遠くには飛ばないものです。
そのため招待客にはできるだけ花嫁に近いところに立ってもらうよう、司会者の方にアナウンスしてもらいましょう。
ブーケを投げるのにも意外とコツがいるので、練習できるのであれば、事前に投げる練習をしておくと本番で上手にトスすることができるでしょう。
ブーケトスに最適なブーケを選ぶ
ブーケは意外と重く、生花やプリザーブドフラワーだと招待客に怪我をさせてしまうリスクも高くなりがちです。
最近ではトス用に別のブーケを用意する人も増えてきています。
トス用に最適なのは、クラッチブーケや造花で作成したブーケになります。
クラッチブーケとは通常のブーケよりも小ぶりのブーケであり、ワイヤーが使用されている箇所も少ないため、当たってもそれほど痛くないのが特徴です。
一方、造花で作成したブーケは重さが大幅に軽減されるほか、破損する心配もなく費用が安く済ませられるのが特徴です。
ただし、造花だと軽すぎて遠くに飛ばしすぎてしまう場合もあるので、招待客との距離感や投げる力加減などを調整することが重要です。
よくあるトラブルの対応事例3選!
ブーケトスを成功させるためには、以下のようなトラブルの対応策を事前に紹介しておきます。
- 雨が降った場合
- ブーケがキャッチできなかった場合
- ブーケを返却された場合
ぜひ参考にしてみてください。
1. 雨が降った場合
ブーケトスは、屋外で行うことが多いですが、雨が降ってしまうと当然できなくなってしまいますよね。
もし、結婚式場にブーケトスができるような広い空間があり、式場のスタッフからもOKが出れば屋内に変更することも可能です。
しかし、屋外でしか実施できない結婚式場の場合には、屋内でもできるブーケプルズに変更するのもおすすめです。
2. ブーケがキャッチできなかった場合
招待客同士でブーケを譲り合ったり、うまくキャッチできず、ブーケが地面に落ちてしまうこともありますよね。
そんな時は、司会者に「今のは予行演習です!次はいよいよ本番ですよ!」などといったアシストをしてもらうように事前にお願いしておきましょう。
3. ブーケを返却された場合
ブーケトスに参加したけれど、ブーケを受け取った招待客から「いらない」と言われてしまうかもしれません。
特に、受け取った人が男性だった場合はあり得るかもしれませんね。
その場合には、ブーケを欲しがっている他の招待客にプレゼントしても良いでしょう。
招待客への配慮を充実させたブーケトスをしよう!
花嫁の幸せをおすそわけする意味合いを持つブーケトスですが、抵抗があると感じる女性も増えてきました。
そんな時代の流れを受けて、最近では未婚女性に対してだけではなく、招待客全員が参加できるような演出も増えてきています。
中には挙式だけではなく、披露宴でも取り入れられるおもしろい演出もあります。
またブーケトスを実施する場合には、怪我をするようなリスクがあること、雨が降ってしまったりといったトラブルが起きることも考慮して万全な対策を行う必要があります。
招待客が心から楽しめるように、最大限に配慮をして結婚式を成功させましょう。