婚姻届受理証明書とは、二人が夫婦となったことを証明するための書類の一つです。
通常、二人が夫婦であることを証明する書類として、代表的なのが戸籍謄本ですよね。
では、婚姻届受理証明書とはどのような場合に必要になる書類なのでしょうか?
また、婚姻届受理証明書が必要になったとしても、どこで、どうやって発行してもらうものなのかも気になると思います。
婚姻届受理証明書をうまく使いこなすことができれば、入籍の手続きもスムーズに進めることができるので、ぜひ押さえておきたいところですね。
ここでは、婚姻届受理証明書とはどのような場合に必要なのか、発行場所・方法などについて、詳しく見ていきたいと思います。
婚姻届受理証明書とはどのような書類?
通常、二人が夫婦であることを証明する書類として、代表的なものが戸籍謄本になります。
ただし、婚姻届を提出したとしても、すぐに新しい戸籍が出来上がるわけではありません。
新しい戸籍が出来上がるまでには、最短でも翌日、最長だと1週間程度はかかります。
そのため、新しい戸籍が出来上がるまでの期間は、戸籍謄本が出来上がらないわけですね。
そんな時に、二人が夫婦となったことを証明することができるものが、「婚姻届受理証明書」になります。
婚姻届受理証明書には、基本的に、以下のような内容が記載されています。
・夫の氏名、生年月日、本籍地と戸籍筆頭主
・妻の氏名、生年月日、本籍地と戸籍筆頭主
・婚姻した日
・受理証明
・市区町村長名
また、婚姻届受理証明書の仕様は、市区町村が採用しているデザインや、用紙タイプによって異なります。
一般的には、以下の2種類のタイプから発行されることが多いです。
- 普通紙タイプ…文字のみが記載されている一般的な文書(1通350円)
- 賞状タイプ…市区町村のオリジナルデザインの証明書(1通1400円)
普通紙タイプのものは、特にデザインなどは何もない、文字のみが記載されたシンプルな文書になります。
他の届け出の受理証明書と同様、1通350円で発行することができます。
一方、賞状タイプのものは、市区町村のオリジナルデザインの証明書になります。
市区町村のオリジナルデザインのものなので、ご当地キャラを取り入れているものもあったりと、デザインも様々なのが特徴です。
賞状タイプのものだと額縁に飾ることも可能なので、結婚の記念品にする目的で発行する方も増えてきています。
この場合、1通1400円と費用が高めであるほか、申請から発行まで1週間程度かかる場合があるため、事前に市区町村役所に確認しておきましょう。
婚姻届受理証明書の発行場所・方法は?
婚姻届受理証明書の発行場所・方法は、以下の通りです。
- 婚姻届を提出した役所で発行する
- 郵送で発行する
それでは、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
婚姻届を提出した役所で発行する
婚姻届受理証明書が発行できるのは、婚姻届を提出した役所のみとなります。
それ以外の役所に出向いても、婚姻届の原本が保管されていないので、婚姻届受理証明書を発行することはできません。
また、婚姻届受理証明書を発行するためには、以下のものが必要になります。
・婚姻届
・本人確認書類
・戸籍謄本(本籍地以外の場合)
・二人の旧姓の印鑑
婚姻届受理証明書を発行するためには、婚姻届が受理されているのが大前提となるため、必要なものに不足や不備がないようにしましょう。
婚姻届が無事に受理された場合には、役所の窓口で「婚姻届受理証明書もください」と言えば、発行してもらうことができます。
なお、普通紙タイプのものであれば、即日発行することが可能です。
一方、賞状タイプのものであれば、上述した通り、申請から発行まで1週間程度かかる場合があるので、すぐに証明書が必要な方は注意しましょう。
郵送で発行する
役所に出向く時間のない人は、郵送で、婚姻届受理証明書を発行することができます。
郵送で発行するためには、以下のものが必要になります。
・受理証明書請求書
・定期小為替(普通タイプ:350円、賞状タイプ:1,400円)
・本人確認書類のコピー
・返信用封筒(切手を貼り付け、住所氏名を記入したもの)
受理証明書請求書は、市区町村役所のホームページでダウンロードできる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
婚姻届受理証明書の請求先は、婚姻届を提出した市区町村役所にします。
郵送で発行する場合、請求から手元に届くまで1週間~10日程度かかるので、余裕を持って、請求しましょう。
婚姻届受理証明書を発行する場合の注意点は?
婚姻届受理証明書を発行する場合の注意点は、以下の通りです。
- 婚姻届受理証明書の要否を事前に確認しておく
- 婚姻届受理証明書が発行できるのは1枚のみではない
- 婚姻届受理証明書がすぐにもらえるのは1ヶ月程度が目安
それでは、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
婚姻届受理証明書の要否を事前に確認しておく
婚姻届受理証明書は、新しい戸籍が出来上がるまでに、二人が夫婦となったことを証明する必要がある場合に利用する書類になります。
新しい戸籍が出来上がるのを待ってから、名義変更の手続きをしたり、住民票を発行する場合には、婚姻届受理証明書を発行する必要はありません。
そのため、婚姻届を提出する前に、婚姻届受理証明書の要否を事前に確認しておくと、提出と一緒に発行することができるので、おすすめです。
婚姻届受理証明書が発行できるのは1枚のみではない
婚姻届受理証明書が発行できるのは、1枚のみではありません。
請求すれば、何枚でも発行することができるので、手続きに必要な枚数を事前に確認してから申請すると、何回も役所に足を運ばなくても良くなりますよ。
婚姻届受理証明書がすぐにもらえるのは1ヶ月程度が目安
婚姻届受理証明書は、婚姻届を提出した時だけにしか発行できないものではなく、後日に発行することも可能です。
また、発行方法も、婚姻届を提出した役所に直接出向くだけではなく、郵送で発行する方法もあります。
ただし、婚姻届の保管期間は1ヶ月程度が目安になるので、提出から1ヶ月以上経過してしまうと、発行されるまでにかなりの時間がかかります。
その場合には、新しい戸籍も出来上がっているので、二人が夫婦であることを証明したい場合には、戸籍謄本を発行しましょう。
婚姻届受理証明書の活用方法は?
婚姻届受理証明書の活用方法は、以下の通りです。
- 住民票の名義変更
- 会社への届け出
- パスポートの名義変更
- 海外で結婚式を挙げる場合
それでは、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
住民票の名義変更
結婚を機に引越しをした場合には、住民票を変更する必要がありますよね。
住民票の変更は、引越しをしてから14日以内に行う必要があるので、早めに手続きを済ませておきたいところです。
しかし、入籍と引越しを同時期に行った場合には、戸籍が出来上がるまでの間に住所変更をしてしまうと、2人の旧姓で登録をされてしまいます。
そのため、新しい住民票をすぐに提出しなければならない場合には、婚姻届受理証明書を提出すれば、夫婦として同姓で登録された住民票を発行することができます。
会社への届け出
結婚をした場合、会社・職場でも名義変更・住所変更などの手続きが必要になります。
会社によって、手続きを完了させないといけない期限は様々なので、書類の提出を急がないといけない場合もあります。
その場合には、婚姻届受理証明書を提出すれば、手続きをすることが可能になります。
パスポートの名義変更
パスポートの場合、名義変更をするためには、戸籍謄本が必要になります。
しかし、入籍後、すぐに新婚旅行や海外挙式を行う場合には、戸籍謄本が出来上がるのを待つのが厳しい場合もありますよね。
その場合には、婚姻届受理証明書を提出すれば、パスポートの名義変更の手続きを進めることが可能になります。
海外で結婚式を挙げる場合
海外で結婚式を挙げる場合には、夫婦であることを証明する必要があります。
海外での挙式スタイルには、以下のようなものがあります。
リーガルウェディング…その国の法律に基づき挙式するスタイル
ブレッシングウェディング…結婚した2人が祝福を受けて挙式するスタイル
これらは、二人が夫婦であることが挙式をする条件となるため、婚姻届受理証明書を提示する必要があります。
そのため、海外ウェディングを考えている場合には、婚姻届の提出と一緒に発行しておくことがおすすめです。
婚姻届受理証明書が活用できない場合は?
婚姻届受理証明書は、すべての手続きに効力を発揮するわけではありません。
以下のような手続きの場合には、婚姻届受理証明書を使用することはできません。
- 運転免許証の名義変更
- 銀行口座の名義変更
- 生命保険・損害保険の名義変更
まず、運転免許証の名義変更をするためには、住民票の名義変更が必須になります。
住民票の名義変更をするために婚姻届受理証明書を活用することはできますが、運転免許証の場合は活用することができないので、注意しましょう。
また、銀行口座や生命保険・損害保険などでは本人確認書類が必要となるので、名義変更・住所変更を終えたものを提示する必要があります。
つまり、上記でご紹介した手続きを終えた後でないと、手続きを進めることができないので、先にそちらをしっかりと終わらせることが早く手続きを進めるコツです。
婚姻届受理証明書をうまく活用して、手続きを進めよう!
婚姻届受理証明書は、二人が夫婦となったことを証明する書類です。
これは、戸籍謄本が出来上がるまでの証明書類として活用できるものなので、入籍後の手続きを早めに終わらせたい方は、発行しておいて損はないでしょう。
しかし、婚姻届受理証明書は、すべての手続きに効力を発揮するわけではありません。
運転免許証や銀行口座・生命保険などの手続きは、住民票の名義変更が必要不可欠となります。
そのため、どのような場合に活用できる書類なのかを正しく把握しておく必要があります。
上記を参考に、婚姻届受理証明書が活用できる手続きを正しく把握して、入籍後の手続きをスムーズに進めましょう。