既卒の人は、就職活動のシーンでは何かと悩んでしまうことが多いかもしれません。
学校を卒業して時間がたってしまうと、新卒採用の求人にもなかなか応募しにくくなってしまいますよね。
ただ、就職活動のアプローチや自己アピールの仕方を少し変えれば、既卒の人も就職活動で成功できる可能性がでてきます。
今回は、既卒者の就職や就活に役立つ方法をご紹介していきますので、これから活動を始めるときには、ぜひ参考にしてみてください。
既卒者とは?
学校を卒業してから一度も社会人経験をしていない人が、いわゆる既卒者に該当します。
ちなみに、既卒者は学校を卒業後、だいたい2年から3年以内の人を指すことが多いです。
このような既卒者は、大学や高校を卒業した後も引き続き就職活動を続けていたり、資格取得の勉強をしていたりします。
既卒者は、第二新卒やフリーターと混同されることも多いです。
第二新卒は、学校を卒業して一度は就職をし、2年から3年以内に仕事を辞めた人のことです。
また、内閣府の国民生活白書では「15歳から34歳のパートやアルバイトとして働いている人、または働く意思のある人」をフリーターと定義づけています。
大学卒業後にアルバイトをしている人などは、既卒、フリーターのいずれに該当するかを判断するのが難しいケースもあります。
既卒者になる人のパターンは?
既卒になる人には、いろいろなパターンがあります。
就職活動をしたが、内定が得られなかった人
例えば、「在学中に就職活動をしたが、内定が得られなかった」などは、既卒の人に多いパターンです。
多くの企業に応募したにもかかわらず、1社からも内定がもらえず、そのまま卒業して既卒になってしまう人もたくさんいます。
特定の企業や業種にこだわった人
また、「特定の企業や業種にこだわった」ために、既卒になる人も多いです。
希望する企業や業種が諦めきれず、ほかの企業から内定をもらっても就職を辞退して、あえて既卒の道を選ぶ人も少なくありません。
学生時代に就職活動をまったくしていなかった人
「学生時代に就職活動をまったくしていなかった」なども、既卒になる理由の1つです。
応募したい企業が見つからず、就職活動をしないまま卒業をしてしまい、結果的に既卒になってしまったのがこのような人のパターンと言えます。
勉強をしたいので就職しなかった人
このほかにも、「資格の勉強をしたい」や「海外留学をしたい」などの理由で既卒になる人が見られます。
弁護士や会計士などの専門職に就きたい人は、あえて就職をせずに卒業後は勉強に専念するケースも多々あります。
また、在学中に試験に合格できず、やむを得ず既卒になる公務員志望の人も増えている状況です。
既卒は就職のチャンスが多い
既卒の人が就職するチャンスは、徐々に増えてきています。
大学を卒業して2、3年しかたっていない既卒者は、若い人材不足に悩む企業にとってはいわば狙い目の存在。
新卒採用で応募者が集まらなかったり、採用した新入社員がすぐに辞めてしまったりすると、企業としてもすぐに若い人材を確保する必要があります。
このような場合、20代の若い既卒者を積極的に採用する企業がでてくるわけです。
新卒の学生は大手企業に流れる傾向があるため、中小企業などはどうしても人手不足に陥りがちです。
こういった企業では、応募条件などを緩和して社員の募集を始めるケースも見られます。
この手の中小企業の求人は、既卒者にとっても1つのチャンスになるでしょう。
新卒で入社した社員のうち、3割以上の人は3年以内に辞めると言われていますので、大手企業でも人手不足と無縁ではありません。
大学を出て間もない既卒者は年齢も新卒者とほぼ同じであり、企業側としても採用するデメリットは少なくなります。
企業の傾向を把握しておけば、既卒の人も自信をもって就職活動にチャレンジができるでしょう。
チャンスが多い状況を、積極的に活用していく意欲が大切です。
既卒者がアピールすべきポイントは?
ポテンシャルと若さでアピール
既卒の人が自己PRを考えるときには、自分のアピールポイントをしっかりと意識しておいたほうがよいでしょう。
アピールポイントを探す場合、企業側が既卒を採用したがる理由に目を向けてみるとよいかもしれませんね。
例えば、「成長していけるポテンシャルがある」などは、既卒の人が企業から人気を得やすい要因です。
20代の既卒者の場合、入社後の教育次第でどんどん成長してくれる可能性があります。
体力がある20代の社員は、ハードワークをこなしてくれる可能性が高いのも魅力の1つです。
積極的に新しいことを学ぶ姿勢をアピール
ほかの会社に就職したことがない既卒者は他社の風土にそまっていないため、企業にとっても教育しやすいことが多いです。
自社の雰囲気にすぐになじんでくれたり、教えたことを素直に理解してくれたりする点は、企業にとっても大きなメリットと言えます。
このような企業の本音を知っていれば、効果的アピールができます。
新しいことを積極的に吸収していく意欲や、素直なパーソナリティなどをアピールすると、採用担当者から高く評価されるかもしれません。
社会人の経験がなくても、既卒ならではのメリットをアピールすれば採用される可能性は十分にあるわけです。
既卒の最適な就活方法は?
既卒の人の場合、どのような就活方法が最適かはケースバイケースです。
希望する企業や業種によっても、ベストなアプローチは変わってくるでしょう。
既卒の人が就活をする場合、一般的には4つの方法が考えられます。
1.企業に直接応募する方法
1つ目が、企業のサイトから直接応募をする方法です。
企業によっては、サイトに採用情報のページを設けて募集要項を掲載している場合があります。
このようなページをこまめにチェックしておくことは、就職のチャンスを増やすアプローチです。
2.転職サイトを利用する方法
2つ目は、転職サイトを利用する方法です。
転職サイトには、全国の求人を扱っているサービスや特定の業種の求人に強いサービスなどがあります。
いろいろな就職先を選べるのが転職サイトの魅力になっていますが、新卒者やキャリアがある転職者向けの内容になっているケースも少なくありません。
既卒の人にとっては少し使いにくいサービスもあるため、転職サイトで就活をするときには自分に合ったところを選ぶ必要があります。
3.ハローワークを利用する方法
就活方法の3つ目は、ハローワークを利用する方法です。
公的機関であるハローワークでは、サポーターなどが既卒者の就職を支援するサービスも始めています。
初めての就活でも何かと心強いのがハローワークのメリットですが、求人の数や選べる職種などは民間の転職サイトに比べて少ないのが一般的です。
選択肢が限られていることから、希望する求人が見つかる可能性が低いのがハローワークのデメリットです。
4.転職エージェントを利用する方法
4つ目の方法としては、就職エージェントの人材紹介サービスを利用する方法が挙げられます。
就職エージェントは一般の求人サイトと違って、専任のアドバイザーがその人に合った企業の紹介をしてくれるケースが多いです。
職歴がなくても応募が可能な求人を扱っているエージェントも多く、既卒者の就活ではよく利用されています。
就職・就活を成功させる方法は?
既卒が就職、就活を成功させるには、いくつかのポイントがあります。
広い視野をもって就職活動をしよう
まずは、できるだけ視野を広げて就職活動を行うことです。
特定の企業や業種にこだわらずに就活をすれば、就職のチャンスはより広がります。
希望する仕事がある人は、とりあえず現状で応募できる企業に入社をして、経験を積んでみるのも1つの方法になるでしょう。
一定の職歴があれば、後に転職という形で憧れの仕事に就ける可能性もでてきます。
すでに学校を卒業している既卒者は、自分から行動しないと最新の就職情報などが入手できません。
主体性をもって活動しよう
新卒のように学校の就職課などのサポートが受けられないため、就活をするうえでも主体性が必要になってきます。
企業のサイトを熟読しておく、採用担当者に自らコンタクトをとってみる、などは、既卒の就活でとくに手ごたえが得やすいアプローチです。
実際、募集要項などに「新卒採用」となっているときでも、事前に相談をすれば既卒でも応募できる場合があります。
自らチャンスを増やそうとする姿勢は、既卒の就活を成功させる方法の1つです。
客観的に既卒の立場を理解しておこう
また、「既卒」という事実を冷静に受け止めておくことも、成功を得るためには重要になってきます。
既卒は、新卒よりも就活で不利になりがちというイメージがあるため、求人に応募する前に諦めてしまう人もいるかもしれません。
しかしながら、既卒であることが就職活動でプラスになるケースもあります。
既卒のメリットやデメリットを客観的にとらえておけば、いたずらに不安を感じたり自信をなくしたりせずに就活ができるでしょう。
履歴書作成のコツは?
応募書類の内容にこだわることは、既卒の人が就活を成功させるコツです。
既卒の人の書類選考では、履歴書やエントリーシートなどが重点的にチェックされます。
なかでも履歴書は就活で必ずといってよいほど必要になるため、作成のコツをマスターしておきましょう。
既卒の人が履歴書を書くときには、左側の経歴欄の書き方に少し工夫が必要です。
例えば、学歴欄の下に「卒業後は資格取得の勉強に取り組む」などの文言を書き加えておくと、印象がよくなる可能性があります。
学校を卒業して数年たっているのに学歴しか書いていないと、採用担当者が不審に思うかもしれません。
履歴書に何らかの理由が書いてあれば、採用担当者も就職をしていない理由がだいたいイメージできるわけです。
また、右側の自己紹介欄も少しこだわりたいところ。
志望動機の欄などは、採用担当者もとくに念を入れて読んでいることが多いです。
既卒の人の志望動機では、「その仕事をしたい理由」を自己アピールをしながら説明するのが1つのコツになってきます。
履歴書の志望動機欄はスペースが狭いことが多いため、伝えたいポイントを簡潔にまとめるのもコツです。
面接でのコツは?
既卒の人の就職面接でよくある質問が、「なぜ新卒で就職をしなかったか?」です。
このような質問に上手に答えられれば、内定をもらえる可能性はグンとアップするでしょう。
採用担当者は、この手の質問を通じて本人の考え方やこれまでに学んだこと、努力したことなどをチェックしています。
既卒になった理由にかかわらず、魅力的な人柄や努力の様子が伝わるような回答をすれば、好印象を与えられる可能性が高いわけです。
こういった質問をされたら、「単に既卒の理由を聞かれているわけではない」点をまずは意識しましょう。
自分が頑張っていることなどをアピールしながら、理由を述べられれば理想的です。
その企業で働きたい理由なども合わせて伝えられると、強いメッセージ性がある回答になるでしょう。
最後に
既卒の人が就職を成功させるには、まず自分についてしっかりと把握しておく必要があります。
既卒になった理由などは、少し深く分析しておいたほうがよいでしょう。
履歴書や面接でありきたりな内容しか伝えられないと、せっかくの自己アピールの機会を逃すことにもなりかねません。
履歴書の項目や面接官の質問などは、ときに自由な発想でとらえることも大切です。
しっかりと自己分析ができていれば、意外性がある魅力的なアピールができる可能性があります。