「転職しようかな」と悩んでいる保育士さんはいませんか?
中には、転職したいけれど不安があり、なんとなく今の職場で働き続けているという人もいるかもしれませんね。
この記事では、保育士の転職に関するメリットやデメリットから、不安の原因や対処法を探っていきます。
この記事が決断のきっかけになれたら幸いです。
保育士が転職で悩む理由は?
転職で悩む人に共通しているのが「不安」です。
「今の職場をやめて後悔しないだろうか……」「失敗したらどうしよう……」といった不安から、なかなか決断できない人もいるのでしょう。
不安から転職に踏み切れないのは、保育士に限ったことではありません。
実際に転職経験者に心境を聞いたところ、やはり「不安だった」と回答した人はたくさんいました。
くわしく聞いてみると、以下のような意見が聞かれました。
- 今の職場に不満はあるけれど、転職したからといってその不満が解消されるとも限らない
- 自分の希望に合う転職先がなかなかない
また「転職したい気持ちとためらう気持ちが二転三転して、どうしたらよいのか自分でもわからなくなってしまった」という声もありました。
転職するかどうかは、多くの人が不安に感じ悩むものです。
自分が何に不安を感じているのかをひも解いてみると、決断に向けて一歩踏み出すきっかけになるかもしれません。
保育士が転職する3つのメリットは?
今感じている不安をはっきりとさせる前に、転職するとどのようなメリットがあるのか改めて確認してみましょう。
ここでは多くの人に共通する以下の3つを紹介します。
心機一転できる
労働条件の向上が期待できる
多様な保育観に触れ、成長につながる
それぞれくわしく見ていきます。
心機一転できる
転職する大きなメリットに「心機一転できること」があります。
たとえば、人間関係に悩んでいる場合、転職して新たな環境に身を置くことで悩みが軽くなることもあるでしょう。
特に保育士の場合、職場の人間関係を理由に退職する人も多いです。
平成30年度東京都保育士実態調査報告書によると、退職した保育士の約37%が退職理由として人間関係をあげていました。
今の職場にとどまりながら人間関係を改善することは難しいものです。
転職してゼロから人間関係を作ることができれば、今までの人間関係の悩みから解放されるかもしれませんね。
そのほか、後輩を指導する負担が大きく「ツライ……」と感じている場合や、大きな失敗をしてしまい自信がなくなってしまった場合も、職場をかえることで心機一転が期待できます。
労働条件の向上が期待できる
「労働条件の向上が期待できること」も転職するメリットです。
前出の資料によると、保育士が退職した理由の上位には、以下のことがあげられていました。
- 給料が安い
- 仕事量が多い
- 労働時間が長い
この結果から、労働条件に不満があり退職する保育士は多いことがわかります。
同じ職場にとどまっていると、条件面の向上は期待できないケースが多いです。
一方、自分が望む条件にしぼって転職先を探せば、ある程度満足できる条件で働けるでしょう。
多様な保育観に触れ、成長につながる
転職をきっかけに「多様な保育観に触れ、自身の成長につながる」こともあります。
なんとなく仕事に自信がもてない、自分のスキル不足を感じるという人は、転職によって新たな可能性が見つかるかもしれません。
というのも、転職すると新たな園の方針に触れたり、今まで出会ってこなかったタイプの保育士と仕事をしたりするため、多様な保育観に接することができるからです。
転職をきっかけに新たな考え方が芽生えたりスキルを吸収したりでき、成長できるかもしれません。
保育士が転職する3つのデメリットは?
次に、保育士が転職した場合のデメリットについて考えてみましょう。
ここでは、多くの人に共通するデメリットとして以下の3つを紹介します。
新たな環境になじむ努力が必要
転職後6か月間は有給休暇がない
転職後1年間はライフイベントを控えるのが無難
転職によるデメリットが不安の原因になっていることも考えられますので、丁寧に見ていきましょう。
新たな環境になじむ努力が必要
転職のデメリットとして「新たな環境になじむよう努力しなければならないこと」があげられます。
環境の変化が苦手な人にとっては、ハードルが高いことと言えるでしょう。
仕事の進め方や園の保育方針ががらりと変わることもあるかもしれません。
今までのやり方が転職先でNGとされると、とまどってしまうこともあるでしょう。
それに加え、人間関係の構築も必要です。
職員や子ども、保護者との信頼関係を築くことは、一朝一夕でできることではありません。
長い目で見て、良い関係を築くことが大切でしょう。
転職後6か月間は有給休暇がない
「転職後6か月は有給休暇がもらえないこと」も転職によるデメリットでしょう。
労働基準法により、有給休暇の取得は入職後6か月を過ぎてからと定められています。
もちろん入職後6か月以内にも仕事を休むことはできますが、欠勤扱いとなるため注意が必要です。
プライベートな理由で有給休暇を利用したいと考えている人は、有給休暇がもらえるまで6か月の勤務が必要なことを頭に入れておいてくださいね。
転職後1年間はライフイベントを控えるのが無難
もちろん、転職後にライフイベント(結婚や妊娠など)を迎えることがNGというわけではありません。
しかし、転職先で信頼関係を築くためには、できるだけ転職直後のライフイベントは控えるのが無難です。
転職先は実務経験のある人を即戦力として採用しています。
それにもかかわらず、すぐに結婚や妊娠を理由に休まれると、園としても信頼しにくくなってしまいます。
もしライフイベントの予定があるのなら、前もって話しておくほうが好印象でしょう。
保育士が転職に悩む具体的な不安点とその解消法は?
転職に悩んでいる保育士は、実際、どのようなことに悩んでいるのでしょうか。
ここでは多くの人が悩むポイントとその解消法をお伝えします。
「辞めたい」と言い出しにくい…
まず、今の園に「辞めたい」と言い出しにくいというケースです。
特に年度途中に辞めたいと考えている場合、言い出しにくさを感じる人はたくさんいます。
保育士の場合、1年単位でスケジュールが決まっているため、年度途中で辞めたいと言い出しにくいのです。
どうしても年度途中で退職したいなら、行事が少ない時期に退職の意向を伝えることをおすすめします。
運動会や遠足、発表会などの行事が終わった後には業務が一段落する園も多いので、上司に時間をとってもらいやすいでしょう。
また、短期間しか働いていない場合も、辞めたいと言い出しにくいものです。
このような場合は、引き止められることも多いかもしれません。
引き止められたくない場合は、自身の体調や家族の世話など、園がやむを得ないと感じる理由を伝えるのが無難です。
保育士がひとり欠けると、ほかの人たちの負担が増えてしまいます。
できるだけ迷惑をかけないためにも、丁寧に引き継ぎをするなどの心がけは必要です。
いい園が見つかるのかな…
今よりもいい園が見つかるのかが不安で決断できないケースもあります。
転職したら今よりも人間関係が複雑だった……残業が多かった……といったミスマッチを防ぐためには、気持ちにゆとりをもって転職先を探すことが大切です。
このような不安が大きい場合は、今の仕事を続けながら転職活動を進めましょう。
時間的には負担がかかるかもしれませんが、ひとまず今の園で仕事ができるということが安心材料となり、比較的ゆとりをもって転職先を探せると考えられます。
いい園が見つかった段階で、退職の意向を伝えても遅くはないでしょう。
新しい環境になじめるかな…
新しい環境になじめるか不安に感じるケースもあります。
転職すると人間関係をゼロから作っていく必要がありますし、保育方針や業務内容もいままでとはまったく異なるかもしれません。
新しい環境に対応するためには、今までのやり方に固執せず、柔軟な対応で取り組むことが大切です。
また、慣れないうちはストレスがたまりやすいです。
休みの日には思いっきりリフレッシュするなど、ストレスをうまく発散させながら仕事に取り組むとよいでしょう。
失敗したらどうしよう…
「転職に失敗したらどうしよう」という漠然とした不安を感じている人もいるでしょう。
先のことが見通せないと不安を感じやすいです。
不安を感じている自分を否定せず、自分がどの点に不安を感じているのか、具体的な不安ポイントを探ってみるようにしましょう。
不安に感じることを紙に書き出し、一つひとつに対して具体的な対策を考えてみます。
やるべきことが具体的になると、漠然とした不安を少しは軽減できるのではないでしょうか。
転職に悩む保育士が取るべき行動は?
もやもやした気持ちで仕事を続けていても、充実感は得られません。
転職するかどうか悩んでいるなら、自分の気持ちとしっかりと向き合う時間を作りましょう。
【ステップ1】転職するかどうか決める
まず、転職するか転職しないかの決断をします。
- そもそもなぜ転職をしたいのか
- それは今の職場ではどうにもならないことなのか
- 転職すれば叶えられることなのか
など、いろいろな面から解決策を探ってみましょう。
気持ちがうまくまとまらない場合は、今感じている不満や悩み、不安、自分のやりたいことなどを思いつくままに書き出してみてはいかがでしょうか。
自分の思いを書き出すことで客観的に見ることができ、新たな気づきが得られるかもしれません。
転職しないと決めたのなら、ひとまず今の園での仕事に力を尽くしてくださいね。
転職したほうがよい、転職するのがベストといった結論に至ったら【ステップ2】に進みましょう。
【ステップ2】転職を決意!次に考えることは?
転職を決意したら、保育士を続けるのか、ほかの仕事にチャレンジするのかを考えます。
保育士を続けるなら
保育士の求人が増えるのは、1~3月頃です。
転職サイトに登録したりハローワークを利用したりするなど、求人情報を得る手段を複数もっておくとよいでしょう。
保育士として保育園で働く場合、転職したいと思った理由が解決できるかどうかはしっかりとチェックしてください。
そうでないと、再び同じ不満を感じてしまうことが懸念されるからです。
また、転職先を選ぶときには、積極的に園見学をさせてもらうことも大切です。
見学を通してさまざまなことを感じられますので、転職を決める前には実際に足を運ぶことをおすすめします。
保育士の資格を生かせる職場は保育園だけではありません。
学童保育や院内保育、保育ママなどいろいろなシーンで活躍できます。
選択肢の幅を広げると、自分が理想とする働き方が見えてくるかもしれません。
保育士をやめるなら
保育士とは完全に違う分野の仕事に転職するのもひとつの方法です。
保育の現場と距離をおきたいと考えている人は、新たな分野にチャレンジしてみるのもよいですね。
「今まで保育士しか経験がない。事務や接客など別の分野の仕事ができるのかな……」と不安を感じる人もいるでしょう。
しかし、元保育士でゼロから新たなキャリアを築いている人もたくさんいますし、新しい仕事に飛び込んでからスキルを身に付けたという経験者もいます。
転職で新たなチャレンジをすることもステキですね。
まとめ
保育士に限らず転職を考えている人の大半は不安を感じており、悩みも尽きることがありません。
それは「先のことが見通せない」という漠然とした不安からくることが多いようです。
自分が何を不安に感じているのかを具体的にすると、対策方法を考えやすくなります。
自分の不安と向き合い、後悔のない決断をしてくださいね。