乳がんになりやすい人の特徴は?セルフチェック・検査の受け方など解説

乳がんは女性が最も多くかかりやすいがんです。若い女性から年配の女性まで、年齢に関係なく誰もがかかる可能性があります。

乳がんという病名は知っているけれど、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。

乳がんから身を守るため、どんな病気なのかを知り、早期発見のためのセルフチェックや検査についてみていきましょう。

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乳がんとは?

乳腺にできる悪性腫瘍

女性の乳房の中には、母乳を作るための乳腺という組織が発達しています。その乳腺にできる悪性腫瘍が乳がんです。

乳がんの症状とは

乳がんの症状で代表的なのは、乳房に硬いしこりができることです。しこりは脇の下にできることもあります。その他にも、乳房の痛み、血液が混じったような茶褐色の分泌物が出る、乳首がただれる、皮膚にえくぼのようなくぼみができる、赤く腫れる、オレンジの皮のように毛穴が目立つといった症状があります。

たくさんの症状がありますが、初期の自覚症状はほとんどありません。がんが進行するとともに、症状が現れるようになります。

乳がんにかかりやすい部位とは?

乳房を上下左右4等分し、身体の外側に近いほうを外上部・外下部と呼び、身体の内側に近いほうを内上部・内下部と呼びます。

乳がんにかかりやすい順に、外上部、内上部、外下部、内下部、そして真ん中の乳輪部となります。乳がんは乳房の上半分にできやすいことがわかっています。

まれに全体にわたるものもあるので、乳房全体をチェックすることが大切です。

>>ワコールピンクリボン活動より引用

乳がんになりやすい人とは?

乳がんになりやすい年齢や特徴

乳がんは年齢に関係なくかかる可能性がありますが、かかりやすい年齢は30代後半以降です。乳がんの発症には、エストロゲンという女性ホルモンが大きく関係しています。エストロゲンは月経期間中に分泌されます。

つまり、30代後半以降はこれまで月経を積み重ねてきている年代であるため、乳がんのリスクが高いということが言えます。反対に、エストロゲンは妊娠・授乳期間中には分泌されないため、妊娠・授乳の経験がある女性はその分リスクが低くなります。

妊娠・授乳の経験がない女性、初産が30代以降の女性は、月経を積み重ねている分リスクが高いということになります。初潮が早い女性や閉経が遅い女性も、同じく月経回数が多いという理由でリスクが高まります。

乳がんは遺伝的な要因も大きいです。母親や姉妹など、血縁者で乳がんにかかったことがある人がいれば、自分自身も乳がんにかかりやすい体質ということになります。

生活習慣も関係しており、喫煙や飲酒、肥満も乳がん発症の要因となります。

>>NHK健康chより引用

早期発見が重要

乳がんを早期発見できれば、治癒の確率もぐんと上がります。しかし早期の乳がんは自覚症状がほとんどなく、悪化するにつれて症状が出てきます。

自覚症状に気づいて診断を受けた頃には、がんが進行して他の部位に転移してしまっている場合もあります。

無症状でも、普段からセルフチェックをしたり検診を受けることが、早期発見に繋がります

>>乳がんを学ぶより引用

乳がん?触診でしこりを見つける方法は?

セルフチェックのポイント

乳がんは身体の表面に近い位置にできるがんのため、セルフチェックで見つけやすいのが特徴です。無症状でも、月に1度はセルフチェックをおすすめします。

月経前は乳房が張ることが多いので、月経終了後あたりがセルフチェックにおすすめのタイミングです。閉経後などで月経がない方は、毎月日付を決めて行いましょう。

セルフチェックは、鏡の前で行います。最初は目で見てチェックします。両腕を上げ、正面・側面などさまざまな角度から乳房を観察します。このとき、くぼみやひきつりはないか、乳首や皮膚がただれていないか確認しましょう。

次に、触ってチェックします。3~4本の指で、乳房全体を触ってみましょう。乳房や脇の下にしこりができていないか、乳首を軽くつまんだときに血液が混じったような分泌物が出ないかどうか確認しましょう。

仰向けで寝た姿勢でチェックしたり、入浴中に石鹸がついた状態でチェックするとわかりやすくなります。

>>ミッドタウンクリニック名駅より引用

乳がんのしこりの特徴

乳がんのしこりは3つの特徴があります。1つ目は硬さです。石やパチンコ玉のように硬かったり、外側は柔らかいが中に芯のような硬さがあるなど、感じ方には個人差があります。

2つ目は動かないことです。乳腺炎など良性のしこりは、触ってみるところころと動く傾向にあります。一方乳がんのしこりは悪性であり、周囲の組織と癒着するため動かないことが特徴となります。

3つ目は大きく成長することです。乳がんのしこりであれば、進行するにつれて大きくなります。

>>Central Medical Clubより引用

乳がん検診の種類と受け方は?

乳がん検診の種類

乳がん検診は4種類の検査方法があります。1つ目はマンモグラフィ検査です。乳房のX線検査(レントゲン)であり、乳房を検査台に乗せて板で挟んで撮影します。上下から挟んで撮影と、斜めに挟んで撮影する2方向の撮影が主流ですが、年代によっては1方向のみの場合もあります。

2つ目は超音波検査(エコー)です。検査用のゼリーを塗って、その上から器具を当てて乳房をみていきます。X線はほんのわずかな放射線を被ばくしますが、超音波は無害です。そのため何度も繰り返し検査可能であり、気になる部分に当ててみることができます。

3つ目はCT検査です。肺やリンパ節などへの転移を確認したり、手術をする乳房の範囲の確認するために行います。

4つ目はMRI検査です。より精密に乳房の細かい箇所を見ることができるので、詳細な診断に優れています。遺伝性乳がんの遺伝子を持っている人はMRIによる検診がすすめられています。

乳がん検診が受けられる年齢

乳がん検診は40歳から受けることができ、2年に1回の検査が推奨されています。対象年齢になると自治体から案内が届いたり、職場の検診で行う場合があります。

もちろん検診と合わせてセルフチェックも行いましょう。20~30代はセルフチェックが基本です。気になることがあれば受診し、主治医の指示があれば定期検査を行いましょう。

乳がん検診時の服装

検診時は検査着に着替えたり、検査の妨げとなる下着を外したりします。着脱しやすく、上下別れた服装が良いでしょう。アクセサリーはほとんどの場合外すよう指示があるため、できればなくさないよう付けてこないほうがおすすめです。

髪型はまとめて、メイクはしないことが基本です。髪が検査の画像に写り込んでしまったり、メイクの成分が白く写り込んでしまい、正常な診断ができません。

事前に案内された服装や髪型を守って、正しく検査を受けましょう

>>ワコールピンクリボン活動より引用

乳がん治療の流れは?

局所療法

局所療法は、乳房にできたがん細胞を取りのぞく治療法です。局所療法には、手術療法、放射線療法、乳房再建術があります。

手術療法は大きく分けて、乳房を残す「乳房部分切除術」と、乳房を全部切除する「乳房切除術」があります。どちらを行うかは、がんの大きさや範囲の他、患者本人の希望も交えて決定します。

切除術のあとは、がん細胞を小さくしたりなくすために「放射線療法」が行われます。

その後、乳房を新たに作る「乳房再建術」を行うこともできます。

全身療法

全身療法は、全身に潜んでいる可能性のあるがん細胞を攻撃する、手術の前にがんを小さくする、進行がんや再発に対して延命及び生活の質を向上させる、といった目的で行われる薬物療法です。

女性ホルモンの分泌や働きを妨げる「内分泌療法」、がん細胞の増殖を抑える「化学療法(抗がん剤治療)」、がん細胞の増殖にかかわる分子の働きを阻害する「分子標的療法」があります。

がんの進行やリスク、病理検査の結果によって治療法が決められていきます

>>ワコールピンクリボン活動より引用

「まさか私が」にならないために

乳がんは、女性の誰もがかかる可能性のあるがんです。早期発見し、早期治療に取り掛かることが鍵となります。

自覚症状がほとんどない早期に発見するには、乳がんを他人事として捉えないことが大切です。

「まさか私が」「あの時検査に行っていれば」と後悔しないよう、まずはセルフチェックを習慣づけることから始めましょう

記事の執筆者
LS編集部

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