日々の料理の中でパスタにバジルを使いたい、チーズケーキの彩りにミントを飾りたい、そんなときに手元に無くて悩む方もいるのではないでしょうか。
ハーブは基本的に長持ちしないものが多いため、すぐに新鮮なものを準備するのは難しいですよね。
そんなときに便利なのが、家庭でハーブや野菜を育てるキッチンガーデンです。
ここでは、植物を育てるのが苦手な方でも簡単にできる方法をご紹介します。
キッチンガーデンとは?
ここでは、キッチンガーデンについて詳しく見ていきます。
ベランダや台所で育てる
キッチンガーデンとは、ベランダや台所でハーブや野菜を育てる一種のガーデニングのことを指します。バジルやミントといったハーブ系や、ミニトマトのように日々の料理でちょっと使える野菜などを育てます。
ベランダや台所で育てることからすぐに収穫できる点がポイントで、基本的に小さな植物が多いため場所も取りません。また、何と言ってもキッチンガーデンはインテリアの一部としても活用できるという楽しさもあります。
キッチンガーデンと家庭菜園との違い
キッチンガーデンと家庭菜園は何が違うのかと疑問に思う方もいるかもしれません。キッチンガーデンではバジルやミントといったように、基本的に少量だけ使うような植物の栽培が多い点が特徴です。
逆に、家庭菜園はジャガイモやニンジン、キュウリやナスといった食べることを目的とした野菜などがメインになります。また、キッチンガーデンはインテリアの一部として見た目にもこだわりますが、家庭菜園の場合は効率良くたくさん生産することを目的としているため、見た目にあまりこだわる必要がありません。
キッチンガーデンを始めるメリットは?
キッチンガーデンを始めるメリットは次の通りです。
料理にすぐ使える
キッチンガーデンの便利なところは何と言ってもすぐに使えるという点です。料理にバジルを添えたい、スイーツにミントを乗せたいといったように、料理に少量使いたいときにすぐに用意ができます。
バジルやミントのようなハーブは基本的に長持ちするものが少ないため、買い置きしておく訳にもいきません。また、必要なときにスーパーで買って来ても、使い切れず余らせてしまう場合もあるでしょう。
その点、キッチンガーデンは必要なときに必要な量だけ摘めば良いため、買いに行く手間も余らせる心配もありません。何より新鮮な香り高い状態で食べられるという点も大きなポイントです。
インテリアにもなる
キッチンガーデンは料理に使えるというだけではなく、インテリアにも使えるという点が大きな特徴です。プランターにこだわったり、水耕栽培なら綺麗なガラスの器を用意するなど色々な楽しみ方があります。
また、コンパニオンプランツと一緒に育てて組み合わせや彩りを楽しむのも良いでしょう。コンパニオンプランツとは生育に良い作用を促す植物同士のことを指し、相性の良い植物を一緒に植えることで病気や害虫の被害を防いだり、生育や風味が良くなるといった作用があります。
マリーゴールドやカモミールなどの花もコンパニオンプランツとして使えますので、キッチンガーデンに彩りを添えるには最適です。
始めるハードルが低い
キッチンガーデンを始めるのに広い庭は必要無いですし、土を耕したりといった必要もありません。植木鉢や大きな器などがあれば、初心者の方でも簡単に始められます。
場所はキッチンでもリビングでもベランダでも、日が当たるなら自分が置きたい場所で構いません。
土いじりは苦手という方でもおすすめなのが水耕栽培のキッチンガーデンです。身近な植物だと豆苗やカイワレ大根などがあり、スーパーで買ってきたものを根ごと水に浸けておけば自然に育ってくれます。
キッチンガーデンにおすすめの野菜・ハーブ3選
キッチンガーデンで育てるのにおすすめの野菜とハーブを3つご紹介します。
1.シソ
そうめんや冷奴などの薬味としても使われるシソは、特に旬の夏場には色々なシーンで活用できますので育てておきたい植物の一つです。
その薄い見た目とは裏腹に、ビタミン類やミネラル類などの栄養素を豊富に含んでいます。免疫力を高めてくれたり疲労回復の効果もありますので、夏バテ防止にも日々摂取したい食べ物です。
また、強い抗菌作用もあることから、夏場の食中毒予防も期待できます。
2.ミニトマト
ミニトマトは初心者でも育てやすく、日々のサラダやお弁当などにも使える便利な野菜です。赤や黄色の色合いがキッチンガーデンに鮮やかさを加えてくれます。
赤いミニトマトは抗酸化作用があり、生活習慣病の予防や美容効果が期待できます。黄色いミニトマトは高血圧や動脈硬化の予防効果があるなど、日々の健康管理にも適した優れものです。
この他、オレンジ色や緑色のミニトマトもありますので、自分の好みや欲しい栄養素に合わせて選ぶと良いでしょう。
3.バジル
パスタなどの洋風料理に欠かせないバジルですが、必要なときに無くて困ったことがある方もいるのではないでしょうか。また、買ってみたものの余らせて傷んでしまったこともあるかもしれません。
そんなバジルを必要なときにいつでも新鮮な状態で食べられたら嬉しいですよね。香りが良く料理の彩りにも便利なバジルは、実はビタミンやカルシウム、鉄といった栄養素も豊富に含まれています。特にβカロテンの含有量が多く、強い抗酸化作用が期待できる点もポイントです。
バジルの旬も夏で、食欲が無くても手軽に栄養が摂取できますので、夏バテ対策に育ててみてはいかがでしょうか。
キッチンガーデンの栽培方法のポイントは?
ここでは、前述した3つの野菜・ハーブの育て方のポイントを見ていきましょう。
シソの育て方ポイント
シソは初心者の方にも育てやすい植物です。販売されている種からでも育てられますが、植物を育てるのは初めてで発芽するか心配という方はポット苗の方が良いでしょう。
プランターは大きめか野菜用のものを使用し、しっかり根が張るまで水はたくさんあげるように気を付けます。シソは水をたくさん必要とする植物ですが、逆にトマトは水分は控えめの方が良いので、トマトのコンパニオンプランツとしても最適です。
また、土いじりが苦手という方は水耕栽培も良いでしょう。専用のキットも販売していますし、液体肥料を利用すれば自分の好きな器に苗を入れて育てることができます。
ミニトマトの育て方ポイント
ミニトマトも初心者の方には育てやすい野菜ですが、不安な方は苗を購入して育てる方法が良いでしょう。下に深く根を張る植物ですので、深さ30cm以上のプランターを使用します。
人の背丈ほどに成長し実もたくさんできるため、倒れないように支柱や紐などを使った対策も必要です。ミニトマトのコンパニオンプランツとしてバジルを使うと、害虫予防やミニトマトの甘みが増すなど風味が良くなる効果が期待できます。
バジルの育て方ポイント
バジルは日当たりと風通しの良い所で育てることがポイントです。とは言っても、強すぎる日差しや西日などには弱いですので、時間によって移動させたり適度に日の当たる場所を選ぶようにしましょう。風通しが良い所を好みますが乾燥にも弱いため、水をたっぷり与えることも大切です。
バジルはこまめに枝をカットすることで、新しい芽が出て枝葉がより茂ります。また、挿し木で増やすことも可能です。切った枝の下の葉を取って水に挿しておくと一週間ほどで根が伸びますので、これを鉢植えなどに移します。
手間も時間もあまりかからないことから、たくさん育ててバジル料理を楽しみたいときや、いくつかの植物のコンパニオンプランツとして利用したいときに便利です。
キッチンガーデンで食卓とインテリアに彩りを増やそう
キッチンガーデンは園芸初心者の方でも簡単に始められます。
また、インテリアや趣味の範囲だけではなく、栄養価の高いハーブや野菜を育てることで手軽な健康管理に繋がる点もポイントです。
食用だけではなくマリーゴールドなどのコンパニオンプランツを活用すれば、華やかな雰囲気も演出できます。
植物を育ててみたいなと思っているのなら、まずは気軽に水耕栽培から始めてみてはいかがでしょうか。