精神保健福祉士は精神障害を抱える人に特化した援助を行う役割を担います。
精神疾患を持つ人は増加傾向にありますが入院日数は減少しているため、退院後に社会で安心して暮らすことができるように支援を行うことが大切です。
この記事ではそんな精神保健福祉士の資格の取得方法や仕事内容、就職先などについてご紹介します。
必要な受験資格について
精神保健福祉士は国家資格ですので、国家試験に合格する必要があり、そのためにはまず受験資格を得る必要があります。
福祉大学を卒業した場合は?
福祉大学の場合、指定科目を履修していれば受験資格が得られます。
短大では、3年制で卒業後に1年の実務経験、2年制で2年の実務経験を踏むことで受験資格を得ることができます。
福祉大学で基礎科目のみ履修して卒業しているのであれば、短期養成施設などに6か月以上通うことで受験資格が得られます。
同様に短大では実務経験と短期養成施設で受験資格を得ることができます。
すでに社会福祉士の資格を持っている方は、短期養成施設に6か月以上通うことで受験資格が得られます。
一般的な大学を卒業した場合は?
福祉系でない一般大学を卒業しているのであれば、一般養成施設に1年以上通うと受験資格を得ることができます。
短期大学を卒業している場合は、実務の規定年数以上の経験に加えて一般養成施設に1年以上通うことで受験資格が得られます。
規定年数は、3年制短期大学で1年、2年制短期大学で2年です。
また、大学を卒業していなくても相談援助の実務経験を4年以上踏まえ、その後一般施設に1年以上通うと受験することができます。
学校別で必要な受験要項のまとめ
大きく6つのルートがありますので詳しく説明します。
1.福祉系4年制大学の指定科目を履修した場合
福祉系の4年制大学で指定科目を履修し卒業するルートで、卒業と同時に受験資格を得ることができます。
2.福祉系短期大学の指定科目を履修した場合
3年制の福祉系短大で指定科目を履修し卒業後、相談援助の実務を1年以上経験することで受験資格が得られます。
2年制の短大であれば相談援助実務を2年以上で受験することができます。
3.福祉系4年制大学の指定科目を履修しなかった場合
4年制大学で基礎科目のみを履修しているのであれば短期養成施設で6か月以上の経験を踏まえることで受験資格を得ることができます。
4.福祉系短期大学の指定科目を履修しなかった場合
同様に3年制の短大では相談実務を1年、2年制では2年の経験をし、短期養成施設で6か月以上の経験を踏むことにより受験資格が得られます。
5.一般的な大学を卒業した場合
福祉系大学ではない一般大学、あるいは一般短大では相談実務を規定年数以上踏まえ、一般養成施設で1年以上の経験をすることで受験資格が得られます。
6.高卒の場合
同様に高卒時点で相談援助実務を4年以上経験し一般養成施設に1年以上通うと受験資格を得ることができます。
主婦や社会人でも取得可能なのか?
既に仕事を持っている人や主婦の方、あるいは産休や育休中などで資格取得を目指しているという方もいることでしょう。
精神保健福祉士は働きながらでも取得可能なのでしょうか?
忙しくても取得できるのか?
資格取得のためには受験資格を得る必要があります。
養成施設には夜間コースもありますので、すでに仕事を持っている方や主婦の方など忙しい人でも受験資格を得ることができます。
また、大学も通信講座などがあります。
ただし、科目の中には実際のキャンパスに出向いて講座を受ける必要があるスクーリング科目もありますので、詳しくは大学などの施設に問い合わせてみましょう。
おすすめの勉強方法は?
忙しい方は受験勉強などの時間の捻出が重要です。
毎日少しずつコツコツと勉強するのが向いている方、休日を勉強の時間に充てたい方など自分に合った勉強方法を見つけましょう。
勉強に使える時間がわかれば、受験までの期間でどのくらい勉強をすると間に合うのかといったスケジュールが調整しやすくなります。
国家試験は過去の問題と似たような問題が出ることが少なくはありません。
しかし、法改正が多い分野でもあるため古いテキストや問題集では現行と異なることもあります。
そのため、最新のものを使って勉強することが必要です。
精神保健福祉士の仕事内容は?
精神保健福祉士は、精神に障害を抱える人が社会に適応できるようにサポートを行います。
病院などの仕事内容
例えば病院などの精神科では、患者と面談を行い今までどのように育ってきたか、学校場面や家庭場面など場面ごとの様子、対人関係や受診にいたった経緯などの聞き取りを行います。
場合によっては患者本人だけではなく、周囲の人からも情報を聴取することがあります。
患者が入院することになれば、家庭や社会との調整役はもちろん医療費といった経済的な相談にも乗ります。
退院日が近づくと、その後の受け入れを調整します。
住む場所がない場合はアパートやグループホームといった住居探しもサポートします。
退院したら終わりというわけではなく、その後も家庭訪問などをし、見守ります。
精神保健福祉センターや保健所の仕事内容
精神保健福祉センターでは、精神障害に対する偏見をなくすための啓発活動はもちろん、アルコールなどの依存症や認知症といった疾病に対して専門的な相談援助を行ったり、地域の活動支援などが行われています。
保健所では住民からの相談や、医療機関にかかっていない精神障害を持つ人を医療現場へつなげる支援を行います。
精神保健福祉士に向いている人は?
精神保健に対して興味を持っている人
まず大切なことは、精神保健に対して興味を持っていることです。
増加しつつある精神疾患を抱える人をサポートするにあたり、どのようなことが求められているのか、どのように社会と橋渡しをすればよいのかという点について関心を持ち、学ぶ姿勢が大切です。
コミュニケーションスキルが高い人
また、精神保健福祉士はその業務内容から医療機関と社会の場をつなげるために、密接な連携をする必要があります。
精神疾患を持つ本人はもちろん、その周囲の人とも意思疎通を図る必要があるため、高いコミュニケーションスキルが求められます。
どのようなサポートが求められているのか、どのようなことが必要とされているのかを知るためにも問題解決を行う冷静さが必要ですが、同時に人間としての暖かみのある言動が求められます。
そしてもちろん、社会のため人のために役に立ちたいという意思はとても大切なものです。
活躍できる働き先は?
精神科病院など
精神保健福祉士の勤務先は様々です。
精神科や心療内科といった入院施設を持たないクリニックなどでは、患者個人に合わせた社会復帰プログラムの作成リハビリ、送迎などを行います。
グループホームなどの共同生活を行う施設
グループホームなどの共同生活を行う施設では、相談に乗ることはもちろん、施設の運営業務にあたったり、困難が発生した時に対応したりします。
その他各機関と連携するために調整を行う役割も担います。
教育機関にも働き先はあり、スクールカウンセラーでは対応しきれない問題の解決にあたります。
患者と社会との橋渡しをする精神保健福祉士
精神保健福祉士は国家資格の1つで、精神疾患患者に特化して社会とつなぐ役割を持つ仕事を行います。
大学を卒業する以外にもいくつかの方法で受験資格を得ることができますので、社会人や主婦の方など忙しい人でも受験することが可能です。
働き先も様々でそれぞれ業務が少しずつ違いますので、自分に向いている働き先を探すこともできます。
大切なのは、患者がよりよい環境にいられるよう調整するための尽力です。
民間資格なら通信講座で取得が可能
民間資格であれば、通信講座を受講するだけで『心理カウンセラー』の資格を取得することができます。
これから心理学を学ぶのであれば、まずは民間資格の心理カウンセラーから受講を始めてはいかがでしょうか?
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