玉掛作業者の資格とは?取得するメリット・難易度・活かせる業界は?

玉掛作業者とはクレーンなどで重い荷物を運搬する際に、クレーンのフックに荷物を掛けたり外したりする資格を持つ人のことです。

荷物の掛け方に問題があると、落下して大事故につながる恐れもあります。

玉掛作業者は、現場の安全を守るプロフェッショナルなのです。

この記事では、玉掛作業者になるメリットや資格の取得方法、資格を活かせる業界などについてご紹介します。

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玉掛作業者とは?

区分 国家資格
カテゴリ 建設
受験資格 無し
(交付は18歳以上)
試験日程 毎月実施
試験方法 学科試験・実技試験
試験会場 東京・静岡
受験料 約20,000〜25,000円
登録・更新 無し
難易度 1.0
おすすめな人 社会人

玉掛け作業とは建設現場や工場などで重い荷物を扱う際に、荷物をクレーンなどのフックに掛けたり外したりする仕事です。

資格を持つ玉掛作業者は荷物の重さや形によって釣り道具や掛け方を考えたり、風の影響を予測したりして現場の安全を図ります。

玉掛作業者は厚生労働省が認定する国家資格で、取得すると揚貨装置やクレーン、デリック、リモコン操作が可能な移動式クレーンの玉掛けを行うことができます。

積み荷が重くなるほど作業の危険度が増すため、労働安全衛生法第61条、第76条で規定された「玉掛け技能講習」または「玉掛け特別教育」を修了した人を玉掛作業者として認定しています。

区分は2つ

玉掛作業者の資格は、荷物の重さに関係なく重機の能力によって2つの区分があります。

重さが1トン以上ある荷物を扱う能力を持つクレーンなどの玉掛け作業を行うには、「玉掛け技能講習」を修了しなければなりません。

クレーンなどの能力が1トン未満の場合は「玉掛け特別教育」でよいとされていますが、日本では該当する重機はほとんど使用されていないのが実情です。

しかし「玉掛け技能講習」を受ける場合には、1トン未満のクレーンなどで6か月以上業務を行っていれば、一部の学科や技能講習を免除されます。

運転と作業は別物

クレーンを運転しながら玉掛け作業を行うには、運転士と玉掛作業者の両方の資格が必要です。

重機の運転士の資格がなくても、玉掛け作業だけを行うことも可能です。

また玉掛け作業の有資格者がいれば、資格がない人でも玉掛け作業の補助ができます。

1トン以上の重機の玉掛け作業の補助業務を6か月以上行った場合には、学科や技能講習の時間が短縮されるなどの優遇措置があります。

玉掛作業者のメリットは?

玉掛け作業は現場の安全を守る仕事です。

玉掛け作業が不十分だと荷物の落下を招き、大事故につながりかねません。

玉掛作業者が活躍できる現場は幅広いので需要が高く、年々増加しているので多くの求人に応募できます。

国家資格でありながら学歴や経験などは不問のため、18歳以上なら誰でも取得が可能です。

クレーンやデリックなどの運転士の資格がある場合には、玉掛作業者の資格を取る際に免除される科目があります。

玉掛作業者とクレーンなどの重機の運転士の資格があれば仕事の幅がさらに広がり、施工管理や労働安全衛生についての見識も広がって転職やキャリアアップに有利に働きます。

玉掛作業者を取得するには?

玉掛け特別教育

1トン未満の重機を扱うのに必要な玉掛け特別教育は、通常2日にわたって行われ、都道府県労働局長登録教習機関のほかに企業などの各事業所や教習所でも実施されています。

1日目の学科は、クレーン等に関する知識などの4科目5時間です。

2日目の実技は、クレーン等の玉掛けを含む2科目4時間となります。

玉掛け技能講習

1トン以上の重機を扱うのに必要な玉掛け技能講習はAコースとBコースに分かれており、通常は3日間を掛けて行われます。

こちらは、都道府県労働局長登録教習機関で受講できます。

Aコース

Aコースは、クレーン運転士などの免許を持つ人が対象です。

学科と実技のそれぞれ1科目が免除されます。

1日目は学科で、クレーン等の玉掛けの方法について7時間の講習が行われます。

2日目は学科が2科目2時間と学科の修了試験1時間、3日目がクレーン等の玉掛けの実技6時間と実技の修了試験です。

学科と実技それぞれの修了試験を受けて、合格すると資格の取得が可能です。

Bコース

BコースはAコースに該当しない人が対象で、免除される科目がないため、1日目の学科は7時間で変わりませんが2日目の学科は3科目5時間です。

3日目の実技についても、2科目7時間となります。

基本的に講習は土日に行われるので、3日目の講習は最初の講習から1週間後です。

玉掛作業者の難易度は?

玉掛作業者の合格率は95%以上で取得しやすい資格となっています。

しかし、不合格者がいることも事実です。

講習を受ける場所によって、多少の難易度の違いが見られるようです。

一般的には、企業が行う講習の方が資格を取得しやすいといわれています。

学科試験は再試験のチャンスも

学科については講習を真面目に受けていれば、学科試験の点数が足りなくても再試験のチャンスが与えられます。

学科試験はマークシート方式で教習所によっては合格するまで試験を受けることができ、ほとんどの場合講習中に試験に出る場所を教えてもらえます。

法律用語などの難しいものは丸暗記しましょう。

実技試験は一発勝負

玉掛作業者の試験で不合格になる人のほとんどは実技試験で落ちています。

実技試験は再試験のチャンスが与えられにくいので、一発勝負と考えましょう。

講習中に可能な限り繰り返して体に覚えさせ、他の受講者が実技を行っているところを見たりイメージトレーニングをするのも有効です。

緊張し過ぎないで試験に臨みましょう。

玉掛作業者を活かせる業界は?

玉掛作業者は重い荷物を運搬する必要がある多くの職場で求められています。

具体的な職場としては建設現場や製造工場だけでなく、印刷会社の工場や造園業、造船所や倉庫などがあり様々な業界で働けます。

クレーンなどの運転士の資格がなくても、鉄筋工や鳶などとして玉掛け作業だけをすることも可能です。

玉掛作業者はこんな人におすすめ!

玉掛作業者はクレーンやデリックなどの運転士の資格を有していて、玉掛け作業も行いたい人に向いています。

資格を利用して転職やキャリアアップをしたいときにも、有利な材料になるでしょう。

玉掛け作業は資格が必要であり賃金が高めなので、比較的収入が安定した仕事に就きたい人にもよい仕事です。

特に女性が重機を使って重い荷物を運ぶような現場で働くときは、玉掛作業者の資格があることで専門職として長期間働くことが可能になります。

現場の安全を確保する仕事なので、玉掛作業者に必要な資質としては慎重さや注意深さが求められます。

玉掛作業者の資格を持ってクレーンなどによる荷物運搬の安全管理を行い、一緒に働く人たちの安全や健康に尽力したいと考える人にも適した資格です。

多彩な職場で有利に働く玉掛作業者の資格

クレーンなどで重い荷物を運ぶ職場で安全を確保するためには、玉掛作業者はなくてはならない仕事です。

国家資格ですが、18歳以上なら学歴や経験を必要としません。

建設現場から造園業まで様々な業界で求められており、これからも需要は高まる傾向にあります。

合格率もおよそ95%と高めなので、関連業界で働いている方はぜひ目指してみてください。

記事の執筆者
LS編集部

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