飲食店やイベント会場、ホテルのエントランスなどが素敵な植物で彩られていると、それだけで快適な気分になりますよね。
こういった、屋内を観葉植物などで装飾する仕事には資格があることを知っていますか?
この記事では、「園芸装飾技能士」という室内空間を園芸装飾する技術を証明する資格について詳しく解説していきます。
資格取得に興味を持った人や植物が好きな人は、ぜひ参考にしてみて下さい。
園芸装飾技能士とは?
区分 | 国家資格 |
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カテゴリ | 造園・園芸 |
受験資格 | 1級:実務経験7年 2級:実務経験2年 3級:実務経験6ヶ月 (学歴・職業訓練歴・資格取得等により変動) |
試験日程 | 毎年6月・11月 |
試験方法 | 学科試験・実技試験 |
試験会場 | 全国各地 |
受験料 | 学科試験:3,100円 実技試験:18,200円 |
登録・更新 | – |
難易度 | |
おすすめな人 | 社会人 主婦 |
厚生労働省が定めた国家資格である園芸装飾技能士。
この資格は技能検定制度の一種で、室内園芸装飾に関するスペシャリストだという証明となります。
室内園芸装飾とは、別名インドア・グリーンサービスとも呼ばれる通り、室内空間を植物で彩る仕事です。
その腕を振るう場は様々。
一般住宅はもちろん、オフィスや店舗内が快適な環境になるよう緑で装飾したり、レストランやイベント会場などに美しいインドアガーデンをつくったりと、仕事内容は多岐に渡ります。
コーディネート〜メンテナンスまで
資格取得者に求められる技能とは、植物を通した空間装飾のスキルだけにとどまりません。
あらゆる植物を駆使して生活空間を演出する技術はもちろん、植物の維持管理や衛生面の深い知識を持ち合わせていることが必要となります。
つまり、観葉植物を用いた空間コーディネート技術だけではなく、そのメンテナンスまでできる能力も有していることが資格取得の条件となります。
級位は3つ
園芸装飾技能士には1〜3級まであり、2・3級に合格すると各都道府県知事の、1級に合格すると労働大臣の名によって合格証書と技能士章が交付されることになります。
受験には基本的に生花店等での実務経験が必要です。
ただし、学歴などによっては不要となる場合もあるので、資格取得を検討している人はしっかり確認しておきましょう。
園芸装飾技能士を取得するには?
資格受験の概要
園芸装飾技能士の資格を取得するためには、植物全般の専門的な知識が必要です。
試験会場や日程などは中央職業能力開発協会、もしくは各都道府県の職業能力開発協会からアナウンスされます。
前述のように、資格は1〜3級まで設定されており、全ての級において実技試験と学科試験があります。
受験には原則「生花店等での実務経験」が必要。
1級は7年以上、2級は2年以上、そして3級は6ヶ月以上の実務経験が必要とされます。
しかし学歴や下位資格の有無によって、必要な実務経験年数は短縮されます。
受験条件について
資格試験受験の条件について、詳しく見ていきましょう。
3級
まず3級受験の場合ですが、基本的には6ヶ月以上の実務経験が必要です。
ただし職種と同じ学科を卒業、または在学中である人は不要となります。
2級
2級には2年以上の実務経験が必要。
しかし、職種と同じ学科を卒業して800時間以上を修了している人、または園芸装飾技能士3級取得後、半年以上経過している人は実務経験不要です。
1級
1級は7年以上の実務経験が必要です。
ただし職種と同じ学科を卒業していれば、高校であれば6年以上、大卒なら4年以上、短大か高専卒で5年以上と年数が短くなります。
また、専修等の各種学校(厚生労働大臣指定校)を卒業し、800時間以上修了している人は6年以上、3200時間以上の修了であれば4年以上という条件もあります。
もしくは2級取得後、5年以上経過していれば実務経験は不要となります。
取得には計画的な勉強・修行が大切
もし取得を目指していて、「職種と同じ学科」に在学、または卒業していない場合は、実務経験年数を満たすことが必須となります。
そのため、受験日をしっかり確認して、計画的に勉強しながら生花店などで実際に働いて、様々な修行を積むことが大切だと言えるでしょう。
テキストに関しては「一般社団法人日本インドアグリーン協会」より、学科例題集や実技試験ガイドブックが発売されています。
独学で資格取得を考えている人は、こちらを購入して活用するのがお勧めです。
また、中央職業能力開発協会のサイトで過去の学科・実技試験問題を見ることも可能です。
園芸装飾技能士の難易度は?
「園芸装飾技能士」は、各種国家資格の中では比較的取りやすいと言えます。
2・3級の合格率は7割を超えており、勉強や経験を確実に積んでいくことで、資格取得の可能性は高くなっていきます。
1級の合格率は5割程度。
1級の実技試験では設計図・仕様図の作成、精算など様々なスキルが試されますが、計画的に対策をしていけば資格の取得は可能です。
しかし、いずれの級であっても油断はせず、しっかりコツコツと学習や経験を積んでいくことが大切になります。
着実に知識やスキルを身につけていけば、必ず合格の道は開けます。
園芸装飾技能士を活かせる業界は?
園芸装飾技能士として働く需要
園芸装飾技能士として活躍するには、さまざまな選択肢があります。
年収に関しては職種によって違いがあるものの、経験や実績が評価されることで優遇されるチャンスが生まれてくるかもしれません。
ホテルのロビーやお洒落なレストランには、必ずと言って良いほど素敵な観葉植物が配置され、訪れた人々が寛げるような空間装飾が施されています。
園芸療法士という職業も注目されつつあります。
そういった理由から、園芸装飾技能士には今後も一定の需要があると言えるでしょう。
資格を活かせる職種
様々な就職先が見込めますが、園芸会社の社員や生花店の店員、ホームセンターの園芸部門店員として働きたい人には大きな強みになる資格と言えます。
持っているとキャリアアップに繋がる可能性もあります。
もちろん、ホテルやレストランの空間演出、インドアガーデンのプロデュース業など、大掛かりな室内園芸装飾に関わりたい人にも資格取得が推奨されます。
また、園芸装飾技能士はフリーとしても活動できるということは大きなポイントです。
経験と実績を積んだ後、培ったセンスや人脈、技術力を駆使して独立し、活躍することも不可能ではありません。
園芸装飾技能士はこんな人におすすめ!
園芸装飾技能士の仕事に向いている人には、どのような要素が見られるのでしょうか。
まず、植物が好きで花や草木に興味がある人に向いている資格です。
メンテナンスのスキルも求められるため、自分で花や観葉植物を育てたり、園芸経験がある人には特にお勧めだと言えます。
空間を植物で彩るセンスも必要なので、「インテリアコーディネートが好き」「芸術に興味がある」など、アーティスト的な要素を持っている人も適しているでしょう。
また、重たい観葉植物を運ぶ機会も多いため、体力に自信のある人にお勧めの仕事でもあります。
植物が好きな人にはイチオシの資格
今回は、園芸装飾技能士という、植物を愛する人にはイチオシの国家資格をご紹介しました。
この資格を取得することで、自身のキャリアに様々な可能性が見えてくると言えるのではないでしょうか。
取得を検討している人は受験要項や試験日をしっかり確認して、計画的に学習を進めていって下さいね。
着実に知識や技術を身につけて、資格合格を目指しましょう!