医療系の仕事には、医師や看護師、臨床心理士や管理栄養士など様々なものがあります。
このような治療に直接関わる仕事やそれをサポートする仕事の他に、医療事務・調剤薬局事務・介護事務といった、事務の面から彼らをサポートする仕事もあるのです。
ここでは、
- 医療事務
- 調剤薬局事務
- 介護事務
についての各資格の違いを、7項目から比較して解説していきます。
資格で得られる知識が違う
医療事務で学べる知識は?
医療事務は無資格でも仕事に就ける職業です。
しかし、この資格を取得することにより客観的に医療に関する知識があると証明できるため、取得を目指す人は多いです。
資格取得に向けて勉強する中で、患者に処方される薬の名前や効果、医師が行う処置の内容や病気の症状などの知識を得ることができます。
調剤薬局事務で学べる知識は?
調剤薬局事務の資格も医療事務同様に、保有していなくても職に就くことができます。
しかし、調剤薬局事務の資格を取得すると、就職活動に際し有利になると言われています。
この資格取得に向けて勉強する中で、保険制度や調剤報酬点数の計算の仕方、基本的な薬剤の知識などを身に付けることができます。
介護事務で学べる知識は?
事務と言っても介護職に分類される介護事務ですが、その仕事はあくまでも介護に関する事務です。
この資格取得に向けて勉強する中で、介護保険制度に関する知識が得られます。
これは介護事務を行う上で基本的な分野になりますので、しっかりと身につけることが大切です。
また、介護サービスの種類や請求金額の仕組みなども学ぶことができます。
就職先が違う
医療事務の就職先は?
医療事務の資格を取得した場合、その就職先は大型病院や個人病院、クリニックなどがあります。
基本的な仕事の内容は変わりませんが、仕事の範囲が就職先によって変わります。
クリニックなどの小規模な病院に比べ、大学病院などの大型病院の方が担当する仕事は細分化される傾向にあります。
調剤薬局事務の就職先は?
調剤薬局で薬を処方する薬剤師のサポートを行うのが調剤薬局事務の仕事であるため、調剤薬局への就職が多いです。
病院の中に薬を処方する部署がある場合には、就職先は病院になります。
介護事務の就職先は?
介護サービス利用者に対し利用料を請求することなどが仕事であるため、有料老人ホームやデイサービス、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどが就職先です。
このように、介護事務の就職先は介護保険に関係する事業を行っているところになります。
仕事内容が違う
医療事務の仕事内容は?
医療事務の仕事は大きく分けてレセプト作成と受付に分けられます。
レセプト作成は医療事務の中で最も重要だと言われており、医療費の計算に始まり健康保険組合などの保険者に請求するというものです。
請求の際に保険者に提出する明細書をレセプトと言います。
レセプトの作成はパソコンで入力するため、ある程度のパソコンの知識が求められます。
また、受付において保険証や診察券の確認も行います。
そのため、事務と言っても患者とのコミュニケーション能力が必要なのです。
調剤薬局事務の仕事内容は?
調剤薬局事務の仕事は、受付、請求、会計に分けることができます。
ます、おくすり手帳の有無や保険の確認をします。
次に、処方箋に基づいて医療事務同様にパソコンでレセプトを作成し患者に請求します。
これが終わると、会計作業を行い領収書を発行します。
調剤薬局事務も患者とのコミュニケーションが必要な仕事です。
介護事務の仕事内容は?
介護事務の仕事は、上記2つの仕事と同様にレセプト作成や請求です。
この他に、備品の発注や勤怠管理などのそれほど専門知識を要しない業務も行います。
資格試験の合格率が違う
医療事務の合格率は?
医療事務と一口に言っても、その資格は医療事務技能審査試験と医療秘書技能検定試験の2種類あります。
医療事務技能審査試験は1級と2級を平均しても60%の合格率です。
医療秘書技能検定試験は1級から3級までで準1級を含め4ランクありますが、全体の合格率は25%で、一番難関な1級に限っては5%とかなり難易度の高い資格です。
調剤薬局事務の合格率は?
調剤薬局事務にも多くの資格があります。
例えば調剤事務実務士や医療保険調剤報酬事務士などです。
それぞれに難易度の違いはありますが、平均して1級で30%、2級で50%程度の合格率となっています。
介護事務の合格率は?
介護事務の資格も介護報酬請求事務技能検定試験や介護事務管理士などがあります。
これについても難易度の違いはありますが、おおよそ60%から70%の合格率だとされており、比較的取得しやすい資格であると言えます。
受験者数が違う
医療事務の受験者数は?
数ある医療事務の資格の中で最も受験者数が多いとされる医療事務技能審査試験は、年間50,000人以上もの人が受験しています。
受験者が少ない資格としては診療報酬請求事務能力認定試験で、およそ6,000人前後です。
調剤薬局事務の受験者数は?
調剤事務実務士の受験者数がおよそ15,000人、調剤報酬請求事務技能検定試験が3,000人前後で、少ない時には数百人単位しか受験しないこともあります。
介護事務の受験者数は?
介護報酬請求事務技能検定試験の受験者数がおよそ2,000人前後、介護事務管理士が1,000人を少し超えるくらいです。
受験料が違う
医療事務の受験料は?
医療事務検定試験は7,700円、医事コンピュータ能力技能検定試験は6,600円、レセプト点検業務技能検定試験は6,600円です。
いずれも5,000円を超えるため、可能であれば一回の受験で取得したいものです。
調剤薬局事務の受験料は?
調剤事務実務士は7,700円で、医療保険調剤報酬事務士初回が無料で2回目以降は4,500円です。
医療保険調剤報酬事務士という資格は、まず医療保険学院の通信部で勉強し知識を習得します。
その後、全ての受講が修了しテストに合格すると検定試験が受けられるという仕組みになっています。
介護事務の受験料は?
介護報酬請求事務技能検定試験は6,600円で、介護事務実務士は7,700円です。
介護事務実務士の資格を所有していると、勤務先で給与面の優遇を受けられる可能性がありますので積極的に取得したい資格です。
通信講座の違い
医療事務の通信講座は?
通信で医療事務の資格を取得する場合、通学の必要がなく1講座当たり4〜5万円程度の費用で済みます。
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調剤薬局事務の通信講座は?
医療事務と比べて通信でも担任が就く場合や個別相談を利用できるなど、サポート体制が充実しています。
しかし、あくまでも通信なので基本的には自宅でテキストを頼りに勉強することになります。
わずかな期間に集中して勉強するため、短期間でで合格できる知識が身につきます。
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介護事務の通信講座は?
介護事務を通信で取得する場合、費用はおよそ40,000円前後です。
学習の期間は平均して5ヶ月程度で修了します。
初心者でも3日で知識と技術を習得できると言われており、介護事務の合格率は高く取得しやすいとされています。
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まとめ
このように医療事務・調剤薬局事務・介護事務は同じ医療系の事務であっても、仕事内容や受験料などで様々な特徴を持っています。
事務関連の資格を取得して働きたいと考えている人は、何を取得すれば職場で活かせるのかをきちんと確認してみましょう。