ピアノ調律技能士とは?メリット・資格の取得方法・難易度など紹介

ピアノ調律技能士はピアノを好みの音色や音程に調節したり、メンテナンスを行ったりするいわゆるピアノのプロです。

ピアノ調律師と仕事は同じですが、この2つの違いについてよくわからないといった人も多いでしょう。

ピアノ調律技能士とはいったいどんな職業なのか、取得方法や難易度はどれくらいなのかといったことを解説していきます。

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ピアノ調律技能士とは?

区分 国家資格
カテゴリ 音楽
受験資格 級により異なる
試験日程 3級:毎年11月
2級・1級:毎年7月
試験方法 学科試験・実技検査
試験会場 全国各地
受験料 学科:8,500円
実技:23,500〜29,500円
登録・更新 無し
難易度 3.0
おすすめな人 学生 主婦 社会人

ピアノ調律技能士とは顧客から依頼され、ピアノの音程や音色などを整える調律作業やピアノの修理などをする人のことをいいます。

ピアノ調律師と仕事内容はほぼ同じですが、これらの違いは「検定に合格しているかどうか」ということです。

ピアノ調律師は資格保持者ではありませんが、調律作業を行うことは法的には問題ありません。

しかし、ピアノ調律技能士と名乗るためには、社団法人日本ピアノ調律師協会が実施する学科試験や実技試験をクリアする必要があります。

資格を取得していないのに肩書を「ピアノ調律技能士」とすることは禁止されており、違反すると罰金が科せられるので注意が必要です。

実務経験を積むのが近道

ピアノ調律技能士の受験資格は、ピアノ調律養成学校などを卒業しているか調律師の実務経験があることです。

そのためピアノ調律技能士を目指すのであれば、まずはピアノ調律師としてある程度経験を積むことが近道といえるでしょう。

主な就職先はピアノメーカーや調律センター、ピアノ教室(メンテナンススタッフ)などです。

またスキルが高い、営業力が優れているといったピアノ調律技能士は独立することも可能です。

ピアノ調律技能士を取得するメリットは?

信用を得られる

ピアノ調律技能士の資格を取得すると、「ピアノについて専門的な知識を持っている」ということが証明できます。

ピアノ調律技能士は、2011年に厚生労働省から認可された社団法人日本ピアノ調律師協会が実施する比較的新しい検定試験です。

取得することで「調律に関して一定のスキルがある」と国から証明されることになります。

そのため顧客からは、「安心してピアノをお任せできる」といった信用を得ることができるのです。

また、習得した知識や技術を生かし、調律作業によってピアノの音をより良い状態に調整することが可能です。

顧客の好みをヒアリングしながらそれに近い音に仕上げることもできるでしょう。

報酬アップが期待できる

ピアノ調律技能士検定は1級から3級まであり、レベルの高い級を取得することでさらに信頼度がアップするでしょう。

また調律できるピアノの種類も増えるので、その分報酬にも影響が出てきます。

1級レベルになるとグランドピアノやコンサート用ピアノの調律も可能になるため、プロや一流の演者が使用するピアノ調律に携われるかもしれません。

ピアノ調律技能士の取得方法は?

ピアノ調律技能士は1級から3級まであり、すべての級に学科試験と実技試験があります。

いずれも学科試験に合格してから実技試験という流れになりますが、学科試験には級によって受験資格が若干異なります。

3級の受験資格

大学や専門学校、養成学校などで学んでいるもしくは卒業していることが条件です。

それ以外には、1年以上の実務経験があれば受験することができます。

実技試験は「学科試験に合格して2年以内」と決められているので、合格したらできるだけ早めに受験しましょう。

2級の受験資格

2級を取得するには、3級を合格していることや大学を卒業していることが必要です。

他には2年以上の実務経験や、専門学校、短大、養成機関などを卒業後1年以上実務経験があることが条件です。

3級と同じで2級の実技試験も「学科試験に合格して2年以内」となっています。

1級の受験資格

1級は7年以上の実務経験や、2級合格後2年以上の実務経験が受験資格です。

それ以外には大学を卒業後3年以上、専門学校や短大、養成機関などを卒業後2年以上の実務経験が必要となります。

1級を取得するには、調律師としてある程度の実務経験が必要です。

実技試験は同じく「学科試験に合格して2年以内」です。

ピアノ調律技能士の難易度は?

ピアノ調律技能士の合格率は学科試験が65%〜90%、実技試験が25%〜35%となっています。

学科試験は比較的合格率が高いのでそこまで難易度が高いとはいえませんが、実技試験になると合格する確率が下がります。

3級

級ごとで見ると、3級の学科試験は85%〜90%の人がクリアしているためきちんと勉強しておけばさほど難しくはないでしょう。

実技試験になると35%〜45%となり、合格率が下がる傾向にあります。

とはいえ受験した半数近くの人が試験にパスすることもあるので、対策をきちんとしておけば1回で合格することも十分可能です。

2級

2級の学科試験の合格率は、85%〜95%とこちらも高い数字です。

また実技試験も35%〜40%で、3級とほぼ同じ合格率といえます。

1級

1級になると学科試験の合格率は60%〜70%となり、3級や2級に比べて難易度が高くなるのがわかります。

実技試験の合格率は20%〜30%となり、こちらも合格率がグッと下がります。

1級の合格は簡単ではありませんが、できるだけ早いうちに3級に合格しておくことがポイントです。

学校で学んでいるうちに基礎固めをしっかりしておき、実務経験を通してさまざまなスキルを身につけることで1級合格も夢ではないでしょう。

ピアノ調律技能士はこんな人におすすめ!

ピアノ経験者でピアノが好きな人

ピアノ調律技能士は、ピアノが弾けなくてもなれます。

しかし、やはり自分が調律したピアノは、ある程度弾いてみないと音色や音程などの仕上がりがわかりません。

顧客に演奏してもらうことも可能ですが、メジャーな曲をさわりだけでも弾くと顧客との会話もはずみコミュニケーションも円滑になります。

また四六時中ピアノを触る仕事なので、やはり「ピアノが好き」という人に向いているでしょう。

コミュニケーション能力がある人

ピアノ調律技能士は顧客から「この鍵盤の音が気になる」「ピアノの音が悪くなった気がする」といった要望を聞き、ピアノの音色を蘇らせるのが仕事です。

さらに調律作業が終わった後も、顧客と雑談をすることも少なくありません。

ピアノ調律技能士の作業は黙々と一人ですることが多いですが、同時に多くの人と関わる仕事でもあります。

そのためコミュニケーション能力が高い人は、スムーズに仕事を進めることができるといえます。

細かい作業が苦にならない人

ピアノのメンテナンス作業もピアノ調律技能の仕事です。

調律するピアノの鍵盤蓋やパネルなどを外し、内部の点検や清掃を行います。

さらに、部品の破損や経年劣化による修理を行うことも少なくありません。

こういった作業は細かく手先の器用さも求められるので、苦手意識がある人には厳しいかもしれません。

ピアノ調律技能士はやりがいのある仕事

ピアノは構造が複雑で、ちょっとしたことで音色が変わる繊細な楽器です。

そんなピアノを自分の技術と知識で蘇らせ、さまざまな人から感謝されるのがピアノ調律技能士のやりがいといえます。

資格取得は決して容易ではありませんが「ピアノの専門家」として証明でき、多くの信頼を獲得することができます。

「ピアノが好き」という人は、是非取得してみてはいかがでしょうか

記事の執筆者
LS編集部

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