資格には、
- 国家資格
- 公的資格
- 民間資格
の3種類があります。
それぞれ、取得方法や費用など、取得に関わる面がかなり違います。
それに、自分の持っている資格が国家資格なのか、公的資格なのか、民間資格なのか分からないという人も多くいることでしょう。
この記事では、それぞれの資格にどんな特徴があるのか詳しく紹介していきます。
そもそも国家資格・公的資格・民間資格って?
そもそも、国家資格・公的資格・民間資格とはどんなものなのでしょうか?
違いを見ていく前に、どんな制度として成り立っているのか見ていきましょう。
国家資格とは?
国家資格とは、国が認めた資格のことです。
各分野での個人の能力、知識が判定され、特定の職業に就くことを許可された資格とも言えます。
国家資格は次の3種類に分類されています。
・業務独占資格
弁護士など、その国家資格を取得していないと業務を行うことができない資格が業務独占資格です。
・名称独占資格
中小企業診断士など、その資格を保有していないと職業として名乗ることができない資格が名称独占資格です。
・必置資格
法律により、特定の事業を行う際に企業・事業所に必ず有資格者を設置することが義務づけられている資格が必置資格です。宅地建物取引士などが当てはまります。
医師・税理士・公認会計士などが国家資格として有名ですが、かなり難易度の高いものが多くあります。
ですが、危険物取扱者丙種など中にはそれほど難易度の高くないものもあり、高校生・大学生でも取得できるものもあります。
公的資格とは?
公的資格とは、民間団体・公益法人が実施しており、文部科学省・経済産業省などの官庁・大臣が認定している資格を指します。
その他に、日本商工会議所や各地商工会議所が主催している検定試験などが公的資格に当てはまります。
地方自治体が主催している資格も公的資格となります。
例えば、日商簿記検定・英検・色彩検定などが公的資格です。
商工会議所・文部科学省が主催、後援をしているものが多いため、申し込み書や資格のホームページを見るとわかりますね。
民間資格とは?
民間資格とは、民間団体・企業・個人などが独自の審査基準を設定し、任意で認定する資格のことを指します。
法律によって決められたものではないため、色々な資格が存在しています。
例えば、企業が社員育成のために設定した資格、通信講座で取得できるような資格などがあります。
中には、国家資格や公的資格のように広く知られているもの、社会的評価がほとんどないようなものもあります。
資格の例としては、MOS、パソコン検定、診療報酬請求事務能力認定試験などがあります。
就活・転職活動などに活かすために取得する人も多くいます。
取得方法が違う
国家資格は専門の養成施設に通って取得するものが多い
国家資格の代表的なものは、専門の養成施設に通い、卒業後に国家試験を受けて合格することで取得できるようになっています。
専門の養成施設には、主に大学・短大・専門学校があり、入学するためにはまず高校卒業または高卒認定資格を取得する必要があります。
そのため、取得できるようになるためには時間がかかります。
中には、学歴に関係なく、国家試験に合格するだけで取得できるものもあります。
全ての国家資格が養成施設に入って学ぶものではありません。
自分の希望している国家資格は、どのように取得するものなのか確認することが重要です。
公的資格は会場へ行き受験
多くの公的資格は、会場へ行き試験を受け、合格することで取得できます。
書店やインターネットなどにある申込用紙に記入し、申し込むことで受験が可能です。
受験までの間は、独学で受験対策をしたり、通信講座を受講して学習を進めるなど様々な方法があります。
中には、団体受験の制度を利用し、遠くまで行かなくても近くの会場で受験ができることもあります。
学校などで秘書検定の受験ができるのも、この制度のためです。
民間資格は講座の修了で取得できる資格もある
民間資格は、資格の数だけ取得方法が異なると言っても過言ではありません。
ですが、通信講座などで取り扱っている民間資格のほとんどは、講座を修了すると資格取得できるものが多くあります。
講座の修了で資格取得できることのメリットとしては、学習から資格取得までの全てが在宅で完了するため好きな時間に学習・受験が可能です。
仕事で忙しかったり、育児でなかなか予定を立てにくいという人にはぴったりです。
修了だけではなく在宅受験が可能な資格もあります。
テキストを見ながら試験を受けられるため、記憶力に不安がある人でも自信を持って受験できます。
費用がそれぞれ異なる
国家資格は学費がかかるものが多い
国家資格を取得する場合、ほとんどの資格で100万円単位での費用が必要となります。
それは、養成施設の学費です。
養成施設のほとんどは大学・短大・専門学校です。
資格によっては大学から大学院に進学する必要があるので、家が一軒買えるほどの学費がかかる場合もあります。
それに加え、受験対策のための予備校に通う人も多くいます。
ただ、学校に通う必要のない国家資格の場合だと大学ほどの費用はかからず、全て独学で済ませる場合は数千円で済む場合もあります。
公的資格は基本的には受験料+学習費用
ほとんどの公的資格の場合、受験料のみが必要となります。
それだけというわけにはいかないため、テキストや通信講座などの学習費用がかかります。
多くの学生も公的資格を受験していますが、学校によっては資格を取得するための講義・授業などのカリキュラムが組まれているため、社会人が受験するよりもそこまで費用がかからないことが多いです。
多くの民間資格は講座の受講費用が必要
民間資格を取得する場合、資格によって費用にはかなりの幅があります。
例えば通信講座の受講などで取得できる場合はその通信講座の受講費が必要となります。
試験料も含まれているため、追加料金を払う必要がほとんどないことが嬉しいですね。
ですが、民間資格でも指定の会場での講義を受けたり、公的資格のように試験料を払い会場で受けるものもあります。
その場合、通信講座で対策をしたとしても別で受講料や試験料が必要となることがあるため気を付けましょう。
受験資格のあり・なし
国家資格は受験資格ありが多い
多くの国家資格は、大学・短大・専門学校などの養成施設の修了・卒業が必要となります。
そのため、卒業前に国家試験を受け、合格してから仕事を始めるということが多いです。
他には、養成施設を卒業していなくても、実務経験を積むことで受験資格を得られる資格もあります。
例えば介護福祉士の場合は、3年の実務経験を積み、実務者研修に合格していることで受験資格を得られます。
公的資格は上級になると受験資格があるものもある
公的資格はほとんどの場合で受験資格がありません。
どんな学校を卒業していても受けることができますし、小学生でも取得にチャレンジすることは可能です。
小学校・中学校などでも英語検定などの取得を推奨していることもあります。
中には、上級資格になると受験資格が必要なものもあります。
例えばビジネス実務法務検定の1級を受験する場合、2級を取得していることが条件となります。
准看護師も公的資格の1つですが、この場合は専門の養成施設を修了・卒業していることが条件です。
民間資格は受験資格がないものが多い
民間資格は受験資格が必要ないものが多いです。
通信講座を受講・修了するだけで資格取得ができるため、取得のハードルが低くなっています。
ですが、企業内での資格の場合は、企業が勤続年数などの各企業が設定した受験資格が必要です。
また、食育インストラクターなど階級がある資格の場合は、下位の級の資格を取得していないと上級を受験できないということもあるので注意しましょう。
それぞれどんな資格があるの?
国家資格・公的資格・民間資格を比較しましたが、実際にはどんなものがあるのでしょうか。
国家資格の一例
看護師
医療系の資格として人気の高い看護師は国家資格の1つです。
看護師はニーズが高く、景気にも左右されない職業であるため、子育ての後の再就職もしやすいです。
主な資格取得ルートは、高校卒業後に看護師の養成課程を持つ大学・短大・専門学校に入学し、所定の単位を取得し修了することで受験資格を得られます。
保育士
子育て中のママ・パパの大きな味方である保育士も国家資格です。
高校卒業後に大学・短大・専門学校に入学し、所定の単位を取得することで卒業と同時に取得が可能です。
また、学歴ごとに細かく設定されている受験資格をクリアし、試験を受けることで取得もできます。
学校を卒業して保育士を目指す場合、幼稚園教諭の免許も同時に取得できる学校が多いため、より就職先の選択肢を増やすことができます。
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危険物取扱者
ガソリンスタンドでガソリンを取り扱う監督者の資格が危険物取扱者です。
危険物の種類により甲種、乙1~6種、丙種に分類されています。
乙4種がガソリンなどの分類であるため、最も受験者が多いです。
受験制限のない国家資格であるため、取得しやすい国家資格と言えるでしょう。
高校生でも多くの受験者がいますが、最初に乙4種よりも難易度の低い丙種を受験しています。
公的資格の一例
秘書技能検定
大学生・社会人に人気の高い資格の1つに、秘書技能検定があります。
文部科学省が後援しているビジネス系検定の1つです。
「秘書」という名前の資格ではありますが、社会常識の知識があることを証明できるため、学生に人気が高いのです。
会場によっては、同日に違う級を受験できるため、例えば2・3級のダブル取得も可能です。
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簿記検定
経理の知識を証明する資格に簿記検定があります。
簿記検定は主に2種類あります。
大学生・社会人が対象となっている、日本商工会議所主催の日商簿記検定、商業高校の高校生を対象にしている全国商業高等学校協会主催の全商簿記検定です。
特に日商簿記検定2級は工業簿記の知識も証明できるため、幅広い職種で活躍が期待できます。
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漢字検定
小学生でも受験者が多いことで有名な資格が漢字検定です。
就活だけではなく、高校入試などでも有利になる資格であるため、多くの人から人気を集めています。
書店にたくさん問題集があり、ハードルの低い資格です。
また、漢字は日常生活でもよく使用するものなので、どの年代でも取得して損はない資格です。
民間資格の一例
食育アドバイザー
食育アドバイザーは、一般財団法人日本能力開発推進協会が主催している資格の1つです。
通信講座を受講・在宅受験に合格することで取得できます。
小さい子どもから年配まで、どの世代にも必要な食育を、食を取り巻く色々な視点から見てアドバイスできるようになれる資格です。
管理栄養士や調理師など、食に関する仕事をしている人だけではなく子育て中のママ・パパからも人気を集めています。
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医療事務
病院の窓口業務や、会計に関わる算定を行うことができる資格が医療事務です。
医療事務にも色々な資格があり、ニチイで取得できる日本医療教育財団主催の資格やユーキャンで取得できる全国医療福祉教育協会の資格があります。
種類はありますが、内容はほぼ同じです。
実際、未経験でも医療事務の仕事はできますが、資格があることで就職が有利になったり、仕事を覚えやすくなるというメリットもあります。
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TOEIC
英語力を証明するTOEICは、国際ビジネスコミュニケーション協会が主催している民間資格です。
大学生や社会人を中心に、多くの受験者がいます。
多くの民間資格がある中で、TOEICは国家資格・公的資格と同じくらいの認知度と信頼度を誇ります。
合格・不合格という括りではなく、点数をどれくらい取れたかで評価が変わります。
まとめ
国家資格・公的資格・民間資格には、改めて見ると大きな違いがあります。
職業として成り立つものの多くは国家資格ですし、公的資格や民間資格は自分の知識を証明するものと言えるでしょう。
自分の目指している資格が国家資格・公的資格・民間資格のどれなのか、取得するためにはどのような方法があるのか改めてチェックしてみてくださいね。