ほとんどの夫婦が共働きである現代社会では、妊娠していても仕事を続けている女性が多くいます。
産後、産休・育休を取得し、今後も働き続けていくためには非常に重要なことです。
ですが、妊娠中は今までとは違い、思ったように動けないことがあったり、できなくなることが増えてきます。
特に初めての妊娠では、やっていいのかいけないのか区別がつかないということも多いのではないでしょうか。
そこで、妊娠中に避けるべき行動についてをまとめました。現在妊娠している人だけではなく、これから妊娠を考えている人も要チェックです。
仕事中にやってはいけない行動5選
ヒールの靴を履いて出勤
特に営業職の女性はヒールの靴を常に履いていることが多いのではないでしょうか。
そうでなくても、出勤時には必ずヒールの靴と決めている女性もたくさんいます。
ヒールの靴は脚がスラっとして見えることから、女性の脚を綺麗に見せてくれるアイテムです。
スーツのときにも欠かせません。
ですが、妊娠中はヒールの靴を避けましょう。
それは、妊娠していることにより体のバランスが崩れ、転倒しやすくなるためです。
転倒は妊娠中ではなくても避けたいものですが、妊婦の転倒は胎児の命にも関わります。
理想はヒールのないパンプスやスニーカーです。
歩きやすいですし、体にも負担がかかりません。
どうしてもヒールの靴を履きたいという場合は、低めのもので太いヒールのものを選ぶようにしましょう。
重たい荷物を持つ、力仕事をする
職種に関わらず、重い荷物を持つことは多いでしょう。
介護福祉士や看護師の女性は人を支えたりすることもあるほど、力仕事をメインとしている業務に携わっている人もたくさんいます。
ですが、妊娠中はそれらの仕事は避けましょう。
なぜなら、力仕事により流産・早産の危険があるからです。
例えば、重いものを持つときにはどこに力を入れますか?
腕の力だけで持ち上げられる人はあまりおらず、お腹に力を入れ、腹筋の力を使って持ち上げることがほとんどです。
そのため、子宮にも負担がかかることになります。
子宮に負担がかかると、流産・早産の原因となってしまいます。
妊娠初期はもちろんですが、中期・後期も避けたいですね。
コーヒーの飲み過ぎ
コーヒーが好きな女性も多くいます。
中には、毎日コーヒーを飲むことを習慣にしていたり、こだわりを持っているという人もいるのではないでしょうか。
妊婦さんにもコーヒーが好きという人もいます。
ですが、妊娠中はコーヒーの飲み過ぎに注意が必要です。
害となるのは、コーヒーに含まれているカフェインです。
妊婦さんがカフェインを多く摂りすぎると、赤ちゃんが低体重となってしまい、将来の健康に影響が出てしまいます。
かと言って、カフェインは紅茶や緑茶にも含まれているため完全に避けることは難しいです。
妊婦さんがカフェインを摂取するのは、1日200mg程度に制限することが望ましいと厚生労働省でも求められています。
200mgというのは、だいたいマグカップ2杯ぶんのコーヒーの量です。
1日コーヒー2杯に留めるように飲めば大丈夫ということです。
それでも不安という場合は、ノンカフェインの飲み物やカフェインレスの飲み物を飲むようにすると、自然とカフェインの量を抑えることができますよ。
でも、飲み過ぎには注意しましょう。
休息を取らないで無理をする
若いうちは休まなくても大丈夫!と考えている人が多くいますが、妊婦になるとそれは無理な話になります。
妊婦は体の中で人間を1人育てているということもあり、人一倍疲れやすくなります。
いつもならそこまで疲れることのないような作業でも、かなり疲れ切ってしまい、睡眠時間がいつもよりも長くなったという妊婦さんもいます。
いつもより早く眠くなるようになったという人も多いですね。
ですが、夜に休めるとはいえ無理は禁物です。
妊娠中に無理をして切迫流産・早産になってしまった妊婦さんは大勢います。
妊娠中のトラブルを避けるためにも、無理はしないようにしましょう。
こまめに休息を取ったり、いつもの8割くらいの活動量にするなどの工夫をしましょう。
喫煙スペースには近づかない
妊婦にとって、お酒とタバコは大敵です。
お酒は自分だけが飲まないように気を付ければいいのですが、タバコはそうはいかないということが多いです。
その理由は、周りがタバコを吸っていて、その煙を吸ってしまう受動喫煙が起きてしまう可能性があるからです。
タバコには神経毒があり、母親が吸うと、低酸素状態になってしまい流産・早産の原因となってしまいます。
無事に生まれたとしても、知的障害やADHDなどの発達障害が起きる可能性もあります。
自分が吸わないのはもちろんですが、喫煙スペースに近づかないようにしましょう。
パートナーにはタバコをやめてもらうのがベストですが、難しい場合は、一緒にいるときは喫煙を控えてもらうといいですね。
仕事中に無理しすぎるとどうなる?
妊婦さんにとって、一番無理をしがちな場面というと主に仕事中なのではないでしょうか。
今までとは同じわけにいかないので、歯がゆさを感じている人も多くいます。
では、無理をしすぎてしまうとどのようなことが起こってしまうのでしょうか。
切迫流産・早産、出血やお腹が張る原因に
主に挙げられるのは、切迫流産・早産の原因となることです。
切迫流産・早産とは、実際に流産・早産はしていないけれども、流産・早産をしそうな状態になってしまうことです。
兆候としては、出血やお腹の張りなどがあります。
切迫流産・早産の治療法は、安静にしていることです。
薬などもあまりないため、自宅で絶対安静を強いられてしまいます。
無理をしなければ働くことができたのに…と後悔している人もいます。
ですが、無理をしていなくても切迫流産・早産になってしまうこともあります。
ならないためにも、無理は禁物です。
流産の可能性もあり
妊娠したらどんな妊婦さんでも出産できるというわけではありません。
全妊娠のうち、約15%は妊娠を継続できず流産という結果になってしまいます。
流産の原因のほとんどは染色体異常であり、胎児側にあるのですが、母体が原因ということもしばしばあります。
無理をすることも原因の1つなのです。
胎児側の原因は避けることができませんが、母体側にある原因は避けることができます。
今日無理をしないことも、妊娠を継続するために重要なことなのです。
転倒や事故、仕事のミスの原因にも
毎日頑張って仕事をしていると、どうしても疲れが残ってしまいます。
普段から寝ても疲れが取れないという人は、妊娠すると尚更なのではないでしょうか。
あまり疲れが残らないような人でも、妊娠すると疲れやすくなってしまうほどなのです。
疲れていると、体のバランスを取ることが難しくなり、転倒する原因になってしまいます。
それに、防げるちょっとした事故なども不注意で起きてしまったり、いつもならしないようなミスも起きてしまいます。
仕事をしている以上、事故やミスは防ぎたいですし、赤ちゃんに影響が起きてしまうような転倒も防ぎたいものです。
無理をせず疲れを残さないことで防げるので、しっかり対策をとりましょう。
仕事中に無理をしないための対策は?
無理をせずに仕事をしなくてはいけないということはわかりましたが、実行するのは難しいという人も多いでしょう。
無理をしないためにはどうしたらいいのでしょうか。対策方法をチェックしましょう。
上司や同僚に早めに妊娠の報告しておく
まずできる対策は、妊娠を隠さずに報告することです。妊娠したとなると安定期まで隠しておくという人もいますが、妊娠は何が起きるかわかりませんし、できる仕事・できない仕事があることも事実です。
そのため、妊娠初期の時点での報告が肝心です。
報告と言っても会社全体に報告する必要はありません。直属の上司や同僚など、自分の業務に関わっている人だけに報告しましょう。つわりなどで休まなくてはいけないことも出てくるため、妊娠を知る人は最低限にしておくといいですね。
妊娠5ヶ月からの安定期に入ったら、社内の他の人にも報告しましょう。それまでは口止めをしておくことも忘れないようにしましょう。
休息をこまめに挟む
妊娠前とは同じように動くことができなくなるため、いつもより疲れやすくなってしまいます。
そこでできることは、休息をこまめに取ることです。
通常、休息は会社の休憩時間に取ります。
8:30〜17:00までの就業時間の企業の場合は、昼休憩以外に午前に1回、午後に1回休憩があるということが多いのではないでしょうか。
それ以外に1回ずつ自主的に増やすことを意識すると、思ったよりも休息が取れます。
ですが、周りは仕事をしているため、堂々と休憩するのではなく、伸びをしたり少し目を休めたりなど、ちょこっとした時間でできるような休憩をこまめに取ることがおすすめです。
そうすることで、体や気持ちが休まるだけではなく、仕事のモチベーションもキープできますよ。
無理せずに休む
妊娠していると、日によって体調が変わってきます。
今日はすごくよかったのに、次の日は悪くなっていることも日常茶飯事です。
特に、まだつわりがあるような妊娠初期や、どんどん動きにくくなる妊娠後期には、体調が悪い日が多くてもおかしくないのです。
体調が悪いときは、無理せず仕事を休みましょう。
自分の体だけなら多少無理しても大丈夫ですが、妊娠しているときは1人だけの体ではありません。
それに、体調が悪いときに無理をすることで、切迫流産・早産の原因にもなってしまうのです。
1日しっかり休むことでまた次の日から仕事ができるようになることがほとんどです。
無理せず休み、次の日に仕事を取り返すようにしましょう。
締め付けのある服はなるべく着ない
タイトな服を好む女性は多いのではないでしょうか。
スーツはもちろんですが、体のラインに沿った服やスキニーパンツなど、おしゃれなものも多くあります。
ですが、締め付けのあるような服はなるべく避けるようにしましょう。
妊娠中は妊娠前の体とは違い、毎日少しずつ体が変化していると言っても過言ではありません。
その変化に対応していくために、体に合った服や下着を身につけるのはとても大切なことなのです。
下着はよく伸びる素材のものがおすすめです。
ぴったり沿っているように見えて、しっかり伸びてくれるので体の変化にも対応しやすいですし、締め付けによる不快感もありません。
困ってしまったらマタニティ用の下着を購入するようにしましょう。
服はマタニティ用のものやワンピースなど、ゆったりとした締め付けの少ないものを着るようにしましょう。
締め付けによる不快感は妊娠初期でも起こります。つわりが酷い場合でも、締め付けが少ない服なら少しでも快適に過ごすことができますよ。
現代はマタニティ用の服や下着がかなり充実していますし、会社の制服にもマタニティ用のものがあるところもあります。毎日身につけるものですから、できるだけ快適なものを選びたいですね。
妊娠中の仕事に関する疑問を解決
仕事と一言で言っても色々な職種の人がいます。
どんな仕事をしているかによって、対応も変わってきます。
特に不安定な妊娠初期にはしっかりとした対応をしたいものです。
仕事における、妊娠初期の疑問を解決していきましょう。
立ち仕事は流産リスクは高まるの?
妊娠中の仕事の中でも大敵なのは、立ち仕事と考えている人も多いのではないでしょうか。
ずっと立ちっぱなしだと流産してしまうのでは…?と不安になってしまいますよね。
それに、職種によっては立ち仕事がメインとなっているので座って仕事をすることが難しいということもあります。
実を言うと、妊娠初期の立ち仕事は流産に直結することはほとんどありません。
それは、妊娠初期の流産の原因のほとんどが染色体異常という胎児側の異常だからなのです。
そのため、妊娠初期に立ち仕事をしたからと言って流産してしまうわけではありません。
ですが、疲れやすくなってしまうので、立ち仕事をしていて疲れが出てきたときは少し休んでから仕事に戻るなどという工夫は必要です。
流産の原因にはなりませんが、切迫流産になってしまうことはあるので無理はしないようにしましょう。
接客業のつわり対策は?
妊娠初期のマイナートラブルの代表的なものがつわりです。
つわりと一言で言っても、食べつわり、吐きつわりなど、様々なものがあります。
それに、つわりの重さも人それぞれです。
つわりが重い人だと、動けなくなってしまい仕事を休まなければならないだけではなく、入院して治療しなければならないということもあります。
そのため、つわりが重いという場合は仕事をせずに休むことをおすすめします。
つわりが軽い、仕事もできるという場合は、対策をして続けるようにしましょう。
ですが、対策が難しいのが接客業です。
飲食店や販売など、色々な接客業の仕事があります。
食べつわりの場合は飴やチョコ、グミなどさっと食べられるようなものをポケットなどに入れてすぐに食べられるようにしましょう。
吐きつわりの場合はいつトイレに行っても大丈夫なように、同僚に交代を頼むなど、すぐに対応できる環境を整えることがおすすめです。
つわりは人によってかなり差があるため、考えていたつわりと全然違うということがあってもおかしくありません。
1番は無理をしないことです。
自分の体調と相談しながら仕事をしましょう。
妊娠初期の出張はリスクあるの?
出張がある仕事をしているという人も多くいます。
仕事をする上で出張が欠かせないということもありますし、控えるというわけにはいかないのが現実なのではないでしょうか。
そこで気になるのが出張による移動の妊娠への影響です。
妊娠初期の流産は、ほとんどが胎児側が原因であるためあまり影響はありませんが、疲れがたまって切迫流産になってしまうことはあり得ます。
出張の頻度を減らしてもらったり、休憩をこまめに挟むなどの工夫をして乗り切るようにしましょう。
つわりがあるという場合は尚更です。
テレワークでずっと同じ姿勢は大丈夫?
コロナ禍により、テレワークになっている企業も多くあります。
妊婦の場合、感染リスクが低くなるだけではなく休憩を挟みやすくなるので、テレワークは嬉しいことでもありますね。
そこで気になるのは、テレワークによりずっと同じ体勢になってしまうことです。
ずっと座りっぱなしだと腰痛の原因になってしまいます。
妊娠初期でも同じことです。
ずっと座りっぱなしでの状態は、妊娠初期だとあまり影響はありません。
ですが、腰痛などのトラブルを防ぐために、1時間に1回ストレッチをしたり、休憩を挟むなどの対策は必要です。
お腹が大きくなってくるほど同じ姿勢でいることが難しくなってきますし、体にもよくありません。
どんどん変化する体に対応できるようにしていきましょう。
まとめ
妊娠初期は、外見ではあまり変化がありませんが、体の中はどんどん赤ちゃんのために変化していく大切な時期です。
つわりが始まったり、だるさが増してきたりと、思うように体が動かなくてもどかしい思いをするようにもなってきます。
ですが、妊娠初期に無理をしないことで今後の妊娠生活を左右すると言っても過言ではありません。
仕事ともうまく付き合いながら、楽しいマタニティライフを送りましょう。