妊娠と言えば、お腹にもう1人いるから2人分しっかり食べなくては!と考えている人は少なからずいます。
ですが、それは昔の考えとして少しずつ浸透してきています。
あまり食べ過ぎないようにと指導される妊婦さんもたくさんいます。
それでも、食欲がすごすぎて止めることができない!我慢できない!という人もおり、体重が増えすぎてしまったということもあります。
中には、妊娠初期から悩んでいる人もいるほどです。
妊娠初期の食欲増加について、対策を紹介します。
妊娠初期は食欲がとまらない?
ほとんどの場合、食欲旺盛になってくるのは安定期に入る妊娠中期(5ヶ月頃)です。
妊娠初期は悪阻が酷く、逆に全く食べられないという人もいます。
ですが、中には食欲が止まらない妊婦さんもいます。
どうして食欲が止まらないのか、食べ過ぎによるリスクにはどんなものがあるかを見ていきましょう。
原因は?
まず、どうして妊娠初期に食欲が増してしまうのでしょうか。
考えられることは、食欲増加も悪阻の一種であるということです。
食べ悪阻などでは食べていないと気持ち悪くなってしまうため、食べずにはいられなくなってしまいます。
また、ただ単に食欲が増すだけの悪阻もあるので、気持ち悪さが伴うかどうかが食べ悪阻との違いと言えるでしょう。
悪阻と言うと、吐いてしまう、食べられない、気持ち悪いなど色々なマイナートラブルのイメージがありますが、だるさ、眠気、食欲増加も立派な悪阻です。
でも食べ過ぎると今後の妊娠生活にも影響してくるため、ほどほどの食事を心がけたいですね。
食べ過ぎのリスクはあるの?
食べ過ぎによるリスクをチェックしていきましょう。
食べ過ぎて体重増加が激しいと、
- 妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの疾患
- 出産時に難産のリスク
- 胎児が巨大児になる
- 羊水の異常
など、様々なトラブルを引き起こす原因になってしまいます。
しかし体重管理となると、どうしてもストレスになりがちです。
実は、体重など妊婦さんの管理をしっかりしている国は珍しく、日本はその1つです。
海外ではそもそも検診が少なかったり、体重管理も日本ほど厳格ではありません。
ですが、日本は妊婦さんの体重管理や血液検査を定期的に行い、定期的な検診をすることで赤ちゃんを安全に出産できるようにしているのです。
そのため、日本は元気な赤ちゃんを安全に出産できる国として知られているのです。
食べ過ぎによるリスクもなるべく回避できるようなシステムができているというわけです。
妊娠初期に気をつけるべき食べ物は?
妊娠中は、妊娠前と同じものが何でも食べられるというわけではありません。
注意したほうがいい食べ物も多いので、確認していきましょう。
刺身などの生もの
刺身や寿司が好きという人はたくさんいます。
回転寿司などで気軽に食べられるので、かなり身近な存在です。
ですが、こういった生ものには水銀が含まれています。
水銀は赤ちゃんにとっては有害な物質で、先天性異常を引き起こす原因の1つとされています。
特に、マグロなどの大きな魚は食物連鎖の影響により、他の魚よりも多めの水銀を含んでいることがわかっています。
食べてはいけないというわけではありません。
厚生労働省では、キンメダイ、本マグロなどは週1回80gまで、メカジキ、ミナミマグロは週2回を80gまでと基準を定めています。
刺身や寿司は2週に1回だけにするなど、食べる回数を工夫することで楽しんで食べることができますよ。
アルコールの入っているもの
妊娠中は、アルコールとタバコは厳禁です。
タバコを吸う人は少ないかもしれませんが、お酒好きという人は多いのではないでしょうか。
お酒は飲み会でソフトドリンクに変えるなどの工夫で避けることができますが、注意したいのは料理でお酒を使用している場合です。
料理酒を使用している場合、煮込んでアルコールが蒸発しているかどうかの確認を忘れないようにしましょう。
味見はパートナーにお願いしたいですね。
また、缶詰やお惣菜でも、酒粕を使用していることがあります。
成分表示をよく見て、含まれていないかどうかをチェックしましょう。
お酒が好きな人にとっては、妊娠期間は辛いかもしれません。
ですが、妊娠中のアルコールは赤ちゃんの低体重・脳障害などの障害を引き起こす原因となります。
妊娠初期のうちから注意して、徐々にアルコールを避ける生活に慣れていきましょう。
塩分を多く含むもの
妊娠中でなくても注意している人が多いのが塩分です。
高血圧などの病気の原因にもなるため、若いうちから塩分に気をつけているという人はたくさんいます。
妊娠中も塩分は注意したいことの1つです。
妊娠高血圧症候群の原因にもなりますし、尿検査でタンパクが+になってしまうこともあります。
それに、妊娠前は薄味が好みだったのに、妊娠してから濃い味が好きになってしまったという例もあります。
自分の味覚がどのように変化するのかは誰にもわかりません。
なので、自分で気を付けていくことが大切です。
例えば、醤油は減塩タイプのものを決まった量だけ使う、味噌汁の味噌も減塩のものを使う、出汁を多く入れすぎないなど、食事の様々な場面で塩分を意識できます。
理想は、食材そのものの味を活かすことです。
妊娠をきっかけに、食事内容も見直したいですね。
バランスよく食べることが大切
食欲があるとたくさん食べたくなってしまいますが、栄養が偏ってしまっては意味がありません。
とにかくたくさん食べるのではなく、栄養を補給するイメージでバランスのいい食事を心がけましょう。
例えば、パンや麺ばかり食べているのではなく米や雑穀米を食べると腹持ちもよくなります。
肉よりも魚を取り入れたり、野菜を多めにするなど、色々な工夫ができます。
参考にしたいのは和食です。
しっかり品数もありますが、低カロリーで栄養もばっちりです。
自炊で意識するのはもちろんですが、外食やお弁当などでも意識すると満足のいく食事ができますよ。
量より質を意識して、楽しく食事をしましょう。
食欲をコントロールする方法は?
食欲はきちんとコントロールし、適正な体重に保つことが大切です。
妊娠してなくても気をつけている人が多いですが、妊娠するとさらに気をつけなくてはなりません。
でも、食欲は止まらない…どのようにしたら食欲をコントロールできるのでしょうか。
いくつかの方法を紹介します。
時間や噛む回数を意識する
よく食べる人に多いのが早食いです。
よく噛まずに飲み込んでしまうため、体重も増えやすくなり、満足感が得られないためたくさん食べてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
そこで意識したいのは、食べる時間と噛む回数です。
よく「○時までに食べる」ということは言われますが、逆に「○時まではこの量を食べる」という、食事に時間をかけるスタイルのことはあまり言われません。
また、ひと口につき何回噛むか決めるのもいいですね。
噛む回数を多くすることで満腹中枢が刺激され、いつもより少ない食事でも満足できるようになります。
食事方法の工夫だけで、いつもの食事が満足あるものに変わるはずです。
よく噛む食材や低カロリー食材を選択する
あえてよく噛まないと飲み込めないような食材や、低カロリーな食材を料理に使用するということも食べ過ぎを防ぐ方法の1つです。
例えば、加熱したイカやタコなどはよく噛まないといけないため満腹感も出やすいです。
低カロリーのものだと、こんにゃくや寒天などが当てはまります。
特にこんにゃくはよく噛む食材でもあるため一石二鳥です。
間食だけではなく、料理に使用できる食材も多くあります。
自分の好みに合うものを選んでみてください。
こまめに食事をする
こまめに食事をするという方法もあります。
これではどんどん太ってしまうのではないかと考えがちですが、実際はそうでもありません。
こまめに食事をすることによって、血糖値の上昇が緩やかになります。
そのため、逆に太りにくくなるのです。
でも、量の調整は必要です。
妊娠糖尿病の治療にも「分割食」という名前で指導されている食事方法です。
食べる量が気になるという人は、試してみる価値がありますよ。
食以外に意識を向ける
食欲があると、どうしても食べることに意識が向きがちです。
太りたくない、食べ過ぎたくないのに、食べることばかり考えていると悪循環に陥ってしまいます。
食以外に意識を向けると、食のことだけ考えるということがなくなるので、食欲を抑えることに繋がります。
考えるのは趣味のことでもいいですし、家事や仕事のことでも大丈夫です。
これからの赤ちゃんのことを考えるのもいいですね。
無理して意識を逸らす必要はありませんが、少しでも違うことを考えて食欲の抑制に繋げましょう。
体重をこまめに測って意識する
食欲を抑えるためには、現実を見ることが1番と考えている人もいます。
この場合の現実とは、体重の増え方のことです。
体重をこまめに測ることで、自分が食べ過ぎかどうかがはっきりします。
「ヤバい、食べるのを控えないと」と考えるきっかけにもなるでしょう。
体重を測るときのポイントは、同じ時間に同じ条件で測ることです。
簡単なのは、朝起きてすぐの体重を測ることです。
誰でも空腹なので、決まった時間に測ることができればどのくらい食べているかが一目瞭然です。
そして、その体重を毎日記録していくと、自分が食べてもいい目安がわかります。
手書きでもいいですし、スマホアプリで管理するのもおすすめです。
スマホアプリの場合、自動でグラフを作成してくれる機能がついたものもあります。
食べ過ぎ注意ということが数字として出てくるので、現実を見たい、シビアに考えたいという人にはおすすめです。
妊娠初期の体重の目安は?
いくら「太りたくない!」と言っていても、やはり妊娠しているのですからある程度の体重増加は必要です。
妊娠中に体重が増え過ぎることでのデメリットはたくさんありますが、実は体重が増えなかったことでのデメリットもあります。
どのくらい体重を増やすのが理想的なのでしょうか。
体重の増えによるリスクにはどんなものがあるのでしょうか。
妊娠初期の体重増加の目安は?
臨月である妊娠10ヶ月の時点で理想的な体重になるためには、1週間で300〜500gの体重増加が望ましいとされています。
ですが、妊娠初期は悪阻などの個人差が大きく、増えるどころか減ってしまう人もたくさんいます。
酷い悪阻の人だと、妊娠前から10㎏近く体重が落ちてしまうこともあるのです。
妊娠初期の体重管理はできる人で構わないのが現実です。
しっかり食べられるという場合は、1週間に300gなので、1ヶ月に1㎏前後のペースで増えることを目標にしましょう。
妊娠初期のうちは何が起こるかわかりません。
食事も含め、まずは自分のペースを掴むことを目標にしましょう。
体重の増えすぎ・増えなさすぎでのリスクは?
体重の増えすぎによるリスクには、妊娠高血圧症候群などが挙げられます。
それに、妊婦のうちからの症状だけではなく、出産の際に微弱陣痛になったり、赤ちゃんが巨大児になってしまったりと難産の原因にもなってしまうのです。
逆に増えなければいいというわけでもありません。
体重が上手く増えずに赤ちゃんが小さく産まれてしまうと、早産のリスクも高まりますし、発育が遅れたり、赤ちゃんが大人になってからの生活習慣病の危険もあります。
体重管理にシビアになりすぎて、全く体重が増えないということにもかなりのリスクがあります。
増えすぎも増えなさすぎもよくないので、ベストな体重の増え方を目指しましょう。
妊娠初期におすすめの食べ物は?
食べ過ぎは厳禁ということはわかりましたが、やはり食欲があるとついつい食べてしまうものです。
食べ過ぎを防ぐためにはどんな食べ物を食べればいいのでしょうか。
妊娠初期の食べ悪阻対策にもおすすめの食べ物を紹介します。
スーパーなどで気軽に買える!グミ
1袋100円ほどで購入できるグミは、食べ悪阻対策の鉄板です。
ほとんどのパッケージでチャックがついているので、バッグに入れて持ち運びしやすいのもポイント。
色々な種類があり、もちもちした食感のものからふんわりした柔らかい食感のものまで様々なので、自分の好みに合わせて選ぶことができます。
また、葉酸やビタミンなど、サプリメントとしての効果を持ち合わせているグミも販売されているので、栄養面が気になるという場合は取り入れてみてもいいかもしれません。
ただし、その場合、1日の基準の個数より多い量を食べないように注意しましょう。
さっぱりした食感が人気!寒天ゼリーや蒟蒻ゼリー
海藻の仲間である寒天や蒟蒻は、食感もよく腹持ちがいいということもあり、ダイエットでよく食べたという人もいるのではないでしょうか。
特に、蒟蒻ゼリーは固めの食感で噛む回数も多いですし、色々な味も販売されているため取り入れやすいですね。
寒天は手作りで好きなようにアレンジできるのが強みです。
牛乳寒天の中にフルーツを入れたり、好きなジュースで作ったりすることができます。
寒天パウダーや棒寒天など、自分の作りやすいもので作れるのも嬉しいですね。
コンビニでも購入できるので、気軽に試すことができます。
安価で手に入ってアレンジも可能!ヨーグルト
大人も子どもも大好きな人が多いヨーグルトは、手軽に食べられて様々な味があることから、日々のデザートとして取り入れている人も多くいます。
スーパーでは、プレーンタイプの無糖ヨーグルトからフルーツ入りのものまで幅広く取り扱っていますし、コンビニでも色々な味のものを購入できます。
最近は、ヨーグルトをそのまま食べるのではなく、好きなフルーツを入れたり、砂糖以外にもメープルシロップやはちみつ、ジャムなどで味付けをして食べる人が増えています。
そのため、安くてたくさん食べられるプレーンヨーグルトに人気が集まっているようです。
他にも、乳酸菌を含んでいるものもあり、便秘対策にも一役買ってくれますよ。
少量で空腹感を満たせる!ナッツ類
ナッツダイエットをご存知でしょうか。
ナッツの効果を利用したダイエットのことです。
ナッツには、ビタミンにより代謝を促す効果、便秘、血糖値を緩やかにする効果などがあり、ダイエットだけではなく健康にもうってつけの食材です。
おすすめなのはミックスナッツです。
どのナッツにも同じだけの栄養素が含まれているわけではないので、バランスよく摂取するためにもミックスナッツが適しています。
また、選ぶときは無塩無油タイプのものにしましょう。
むくみや高血圧の原因となります。
ナッツは基本的に高カロリーなので、1日約25g程度にしましょう。
食べ過ぎは厳禁です。
コンビニでも買える!低糖質のお菓子
頑張って食欲を抑えるようにしていても、どうしても甘いものが食べたい!というときもあります。
そんなときにおすすめなのは、低糖質のお菓子です。
糖質が抑えられているので、普通のお菓子と同じ量を食べても血糖値の上昇が違いますし、カロリーも大幅に低くなっています。
コンビニのプライベートブランドでも販売されているほど、メジャーなお菓子になってきています。
種類も様々で、チョコチップクッキーやスナック菓子に近いものまで豊富な種類から選べます。
普通のお菓子ほど甘さはありませんが、空腹を満たすには十分です。
値段も手頃なので、ちょっと試してみるのもいいかもしれません。
まとめ
妊娠初期の食欲は人によってかなり差がありますが、食欲が抑えられずに悩んでいる人もいます。
ですが、適切にコントロールをすることで、食欲を抑えることができるのです。
色々な方法があるので、自分に合った方法を見つけ、快適なマタニティライフを過ごしましょう。