金融機関の窓口業務に携わっている方なら「金融窓口サービス技能検定」と言う言葉を聞いた事がある方も多いでしょう。
この金融窓口サービス技能検定は「一般社団法人 金融財政事情研究会」が運営管理を行っていて、幅広い世代の方が目指せる資格となっています。
今回はこの金融窓口サービス技能士とはどんな資格か、資格取得までの流れやメリットなどをお伝えします。
金融窓口サービス技能検定とは?
区分 | 国家資格 |
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カテゴリ | 金融・会計 |
受験資格 | 3級:金融機関に勤務している人、勤務しようとしている人 2級:3級合格者、2年以上の実務経験 1級:2級合格者、4年以上の実務経験 |
試験日程 | 毎年5月・9月・1月 |
試験方法 | 筆記試験・実技試験 |
試験会場 | 全国各地 |
受験料 | 3級:16,000円 2級:17,600円 1級:25,900円 |
登録・更新 | なし |
難易度 | |
おすすめな人 | 主婦 社会人 |
金融窓口サービス技能検定とは、一般社団法人金融財政事情研究会が実施する、金融機関における窓口業務等に必要な技能や知識をはかる為の検定です。
金融窓口の業務といえば、口座の開設、預貯金、送金、税金や公共料金の収納などの事務手続きがあります。
さらに近年では、高齢化に伴い相続や年金の相談業務、投資信託や金融商品の販売なども業務に含まれ、昔よりも幅広い知識と技量、誠実で柔軟な対応が求められるようになってきました。
また、金融機関にはフィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)の強化も求められています。
金融窓口サービス技能検定にはフィデューシャリー・デューティーの実践も含まれており、これに合格する事でコンサルティング能力・販売スキル等も相応に習得したとみなされるのです。
金融窓口サービス技能検定のメリットは?
金融窓口サービス技能検定に合格すると、職業能力開発促進法第50条、第1項より「技能士」を名乗る事ができ、名刺にも記載出来ます。
資格を持っている事で自信につながり、その知識や技能を生かす事で金融機関での事務処理や為替業務、金融商品の販売の際に顧客に正確な説明をすることが出来るでしょう。
また、就職や転職の際にも自身のスキルとしてアピールポイントになります。
金融窓口サービス技能検定の取得方法は?
金融窓口サービス技能検定は1級から3級それぞれに受験資格が設けられており、誰でも受けれる訳ではありません。
3級
まず3級では「金融機関関連業務に従事している人、または従事しようとする人」が対象です。
「テラー業務」「金融商品コンサルティング業務」から自分の取得したい方を選び受験します。
2級
2級では下記のどれか1つを満たすことで受験可能になります。
- 3級技能検定の合格者(テラー・金融どちらでも可)
- 2年以上の実務経験を有する者
- 厚生労働省認定テラー技能審査3級合格者
1級
1級では下記のいずれかを満たす事で受験資格を得る事が出来ます。
- 2級技能検定の合格者
- 4年以上の実務経験を有する者
- 厚生労働省認定テラー技能審査2級合格者
試験は学科と実技
試験の申し込み方法は一般社団法人金融財政事情研究会のホームページから申し込みをするか、申込書を郵送する方法の2つがあるので、自分にあった方を選びましょう。
試験は1から3級それぞれマークシート方式による筆記試験となっており、学科・実技試験の両方に合格する事により「合格証書」が発行されます(紛失した場合2,000円で再交付)。
また、一部合格者には試験免除制度がありますが、これは自動でされるものではないので必ず事前の申請が必要です。
免除申請には有効期限(合格した年度の翌々年度末まで)があるのでこちらも注意しましょう。
金融窓口サービス技能検定の難易度は?
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2023年 | 723人 | 62.1% |
2022年 | 978人 | 40.9% |
2021年 | 2,292人 | 38.6% |
2020年 | 1,607人 | 23.9% |
2019年 | 3,369人 | 22.4% |
全ての級で学科・実技試験共に100点満点で70点以上が合格基準となっています。
3級の場合、金融商品コンサルティング業務とテラー業務の試験で合格率が高いのは金融商品コンサルティングの方で、20年から22年の平均でおよそ7割程度の方が合格しています。
学科は平均4割となっていますが年により差があり、20年1月では3割程度まで落ち込んでいます。
2級では学科の平均が2割、実技が3割となっています。
ただしこちらも年によって開きがあり、21年1月の学科では5割を超えているのに同年5月には2割を下回る結果となっています。
実技でも19年5月が4割なのに対し、20年1月の試験では2割しか合格していません。
1級の合格率は2級と近く、学科は2割、実技は平均3割となっていますが、19年9月の学科合格率は0.7割と1割を切っています。
また実技も19年では4割合格でしたが翌年には3.5割、更に翌年には2.5割と下がってきています。
3級は独学も可能
現在は金融窓口サービス技能検定の問題集もありますし、一般社団法人金融財政事情研究会のホームページで過去に行った試験問題をダウンロードする事が出来ます。
3級であれば独学でも合格を目指せそうですが、2級や1級、短期間での資格取得を目指すのならば、専門学校や勉強会に参加する事で効率よく資格取得を目指す方法もあります。
金融窓口サービス技能検定はこんな人におすすめ!
金融機関の窓口で直接人と接する金融窓口サービス技能士は、コミュニケーション能力の高さや誠実性、顧客に分かりやすく正確に情報を伝える能力などが求められます。
また、金銭を取り扱う業務の為、正確さの他にも慎重さや冷静さを持ち合わせた人、限られた時間の中で業務をこなさなければならないので計画性があり、効率よく働ける方に向いています。
どちらかと言えば今現在金融業界に勤めている人で、社内でのキャリアアップを目指す人におすすめの資格と言え、学生が就職活動の為に取る資格としてはあまりおすすめ出来ません。
学生が受けれる金融窓口サービス技能検定3級は入門編のようなもので就職活動時に評価される事がない為です。
3級の資格を取る事で2級の受験資格を得られるので、資格取得を目指すのであれば2級の資格も併せて取るようにしましょう。
他にも、ファイナンシャルプランナーや年金アドバイザーの資格を持っている人は、業務の幅が広がり、スキルアップにも繋がるので資格の取得を目指して損はないでしょう。
まとめ
近年では窓口業務もIT化が進んできていますが、それでもまだまだ対面でなければならない業務もあり、金融窓口サービス技能士は多くの場面で必要とされています。
資格取得によって得た知識やスキルは、窓口業務をされている方であれば、通常業務でも生かす事が可能です。
これから金融業界に進みたい、転職を目指している、自身のキャリアアップを目指している方などは資格の取得を目指してみるのもいいのではないでしょうか。