新たなスポーツとして広まりつつあるeSportsは、実際に身体を動かして行う従来のスポーツとは異なります。
しかし、年齢や性別の違いだけでなく環境さえ整えば誰でも参加できる点から、国境を気にせずに参加できる国際的なスポーツとして認識されつつあります。
では、eSportsを積極的に楽しむことで、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
eSportsとは?
eSportsとは、Electronic Sportsを短くした略称であって、電子機器を使って行うスポーツ競技です。
コンピューターゲームやビデオゲームといった電子機器で相互に接続して、複数人のプレイヤーが参加する形で行う競技ならばeSportsといえます。
スポーツといえば自らの身体能力を活かしたものという考え方がかつてはありましたが、eSportsの登場により、アメリカのように、同じルールでスポーツ競技へ参加できるならスポーツと認めている国があります。
日本国内でのeSports認知度はまだ低いですが、世界では身体能力がハンディキャップとならない公平なスポーツとして発展している状況です。
対戦形式となるために通信環境が整っている必要があるので、世界中でプレイできるとは限りません。
eSportsの人口は?
eSportsは対戦型ゲームと通信環境が整っていれば始められるので、正確な競技人口は随時変動しています。
世界のeSports競技人口は約1億人以上とされていますが、日本国内の競技人口はまだ約390万人に留まっている状況です。
また、eSportsはプレイ状況を配信することで世界中から観戦できるので、観戦と視聴人口が世界で約3億8000万人程度もいます。
日本の観戦及び視聴人工が約160万人程度となっているので、競技人口と観戦人口の比率が日本国内ではまだ低い傾向です。
日本国内ではゲームの種類が多くeSportsに参加できる対戦型プレイゲーム以外のコンテンツが充実しているため、eSportsへ挑戦する人は今後の増加を待つ状況にあります。
eSportsに参加するメリットは?
eSportsへ参加して対戦し始めると、様々なメリットが得られます。
外出しなくても自宅に居ながらにして対戦できるだけでなく、次のようなメリットを享受できるはずです。
年齢や性別だけでなく身体能力の差による影響を受けない
スポーツは身体能力を十分に活かして行いますが、eSportsでは年齢に伴う体格の違いや性別による体つきの影響を受けません。
電子機器を操作するだけのスキルさえあれば、子供であっても大人と対等のプレイが可能です。
参加するゲームの種類と決められているルールさえ理解できれば、国境の壁すらも無くせます。
あくまでも同一のルール内という決まりはあるものの、対戦相手と相互接続することにより距離が離れていても目の前で対戦しているかのようにeSportsならば振る舞えるわけです。
怪我をする心配がない
スポーツを行う上で身体を動かすと、ある程度慣れていても怪我をする可能性があります。
しかし、eSportsならばプレイしているゲームキャラがどのような動きをしたとしても、プレイしている本人は怪我をしません。
電子機器によるコントローラー経由でダメージを表す振動が伝わってきたとしても、怪我をしているのは本人ではなくあくまでもゲームキャラです。
ゲームキャラならばリセットするだけで初期状態に戻るので、最初から怪我をする心配が無い点がメリットと考えられます。
スポーツ競技の中には残念ながら命を落としてしまう事故が発生することがありますが、eSportsならばゲーム内でのキャラが事故に遭ったという程度の認識です。
脳の活性化に役立ちコミュニケーション力も身につく
eSportsは対戦型のゲームプレイを行いスコアを競うので、ゲームを通して相手との真剣勝負が行われます。
どうようにすればゲームに勝てるのか真剣に考え抜くことにより、集中力・洞察力だけでなく創造性も身につくはずです。
集中した状態で一定時間内に多くの刺激を脳で感じることができれば、脳の活性化に役立ちます。
また、チーム対戦を行う場合にはコミュニケーション力が必要とされるので、短時間で的確に考えをまとめて相手とやり取りする能力が育ちます。
eSportsに参加するデメリットは?
eSportsを行う際には、特に自己管理能力が乏しい子供ほどデメリットを事前に把握しておく必要があります。
中でも以下のデメリットについては、事前にしっかり把握しておきましょう。
ゲーム障害に罹患する可能性がある
長時間ゲームプレイを継続することは、eSportsならば身体能力を使わないために可能です。
しかし、日常生活に支障をきたすほど長時間ゲームプレイを続けると、ゲーム障害と呼ばれる症状に悩まされることになります。
eSportsを集中した状態で行うと、必要最小限な部分以外は一切動かさない状態で緊張したままプレイすることになりかねません。
すると、筋力低下や腱鞘炎だけでなく同じ画面を至近距離で見続けることによる視力低下も起こりやすいです。
また、外で身体を動かすことが少なくなるために、運動不足による肥満が発生しやすくなります。
ルール変更がある日突然起きる
eSportsが身体を動かすスポーツと決定的に異なるポイントとして、eSportsというゲームタイトルがあるわけではなく、競技対象のゲームタイトルが変更となる例が珍しくありません。
野球やサッカーといった一般的なスポーツは、基本的なルール変更は年数が経過してもありませんが、eSportsでは競技対象のゲームタイトルが数年で変わってしまいます。
全てのゲームタイトルを上手にプレイできるとは限らないので、プロゲーマーになるため特定のゲームタイトルに力を入れすぎるとルール変更やゲームタイトル変更で強みが一日にして無くなってしまうことがあるわけです。
常に勝ち続けることが極めて難しいと分かります。
eSportsに携わる仕事は?
eSportsに携わる仕事は、実際にゲームをプレイして対戦するプロゲーマーだけではありません。
プロゲーマーは対戦成績により報酬を受取り収入源としますが、eSportsの大会ではゲーム実況者や大会運営者といった役割が無ければeSports大会は成立しません。
また、プロゲーマーはスケジュール管理だけでなく体調管理までも全て1人で行うわけではなく、マネージャーと呼ばれるサポート担当者が連戦を続ける限りは必要です。
そして、eSportsは観戦者や視聴者がいるために、eSportsを広く紹介するライターと呼ばれる取材して執筆する役割もeSportsでは欠かせません。
小学生がeSportsに参加する注意点は?
小学生がeSportsへ挑戦する際には、保護者による時間管理を徹底する必要があります。
なぜなら、実際に身体を動かさずにゲームタイトルをプレイして対戦相手と勝負を行うので、疲れを感じにくく本人が気づかないうちにゲーム依存症状態に陥りやすいからです。
また、現実世界での交友関係が希薄となりすぎないためにも、小学生が特技を活かしてeSportsへ参加するためには保護者により電子機器へ触れる時間に制限を設ける必要があります。
家庭内でのルールをしつかり決めた上で、各種eSports大会へ参加する際の申し込み手続きも全て保護者のチェックを受けるというルール作りをしなければなりません。
まとめ
eSportsならば怪我をする心配がなく頑張り次第で賞金稼ぎも可能です。
身体能力や年齢だけでなく、性別や国境の壁すら影響を受けずに通信環境と電子機器さえあれば参加できます。
ゲーム依存症とならないように保護者によるプレイ時間の管理を徹底した上で行えば、集中力とコミュニケーション力を同時に身につけられるメリットが大きいです。